柳川の歴史的庭園保存のため清掃ボランティアを実施
令和7年5月31日、柳川水郷庭園保存機構と伝習館高等学校の生徒による市内の歴史的庭園の清掃活動が行われました。
柳川水郷庭園保存機構は、柳川市の歴史的庭園の研究者である永松義博南九州大学名誉教授が代表を務め、歴史的庭園を保存するために樹木剪定や池清掃等のボランティア活動を行われています。
今回の取組みは、柳川水郷庭園保存機構から伝習館高等学校への依頼により実施されたもので、令和5年度に始まり、4回目となりました。
庭園清掃ボランティアには、同校の吹奏楽部と卓球部に所属する25人の生徒が参加し、庭園を美しく保つために力を合わせました。
柳川市の歴史的庭園の説明については、こちら →伝習館高等学校の生徒による歴史的庭園の清掃活動
参加者は、ほとんどが1年生で、今回が初めての参加となりました。
清掃に先立ち、永松先生や柳川水郷庭園保存機構の藤吉拓也さんから、柳川の歴史的庭園は主に武家地に造られ、掘割から水を池に引き込むことが大きな特徴であること、池の水が生活用水や防火用水として活用されていたこと、庭園には水汲場(くみず)が設けられ生活に必要な装置となっていたこと、取り入れられた池の水は再び隣の庭や掘割へと流れ有機的な流水システムが構築されていたことなど、歴史的庭園の特徴や先人の知恵と工夫についての説明がありました。
また、所有者の高齢化や後継者不在等の問題に加え生活様式の変化により庭園が荒廃・消失している現状も紹介されました。
そして、生徒達は、庭園を一周して見学し、2時間以上にわたって除草や落ち葉かき、池の藻上げなどを行いました。
活動後のアンケートには、「歴史的庭園で作業ができて良かった。きれいになって達成感があった。」という感想と、「歴史的価値のある庭園を大切に残すべきという意識が芽生えた。残していくためには、有志によるボランティア活動や庭園の魅力を伝えていく活動が必要だ。」という意見もありました。
永松先生は「実際に庭園の空間に入って触れてみないとその価値に気づかない。若い世代によるこのような守り伝える活動には、大きな意義がある。所有者の方も大変喜ばれていた。」と話されていました。
生徒達は、仲間と共に汗を流しながら、庭園が美しい姿を取り戻す様子に喜びを感じていました。また、この活動を通じて、単に清掃を行うだけでなく、庭園の価値やその背景についても学び、地域への愛着を深めることができたのではないかと思います。
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