4種混合(DPT-IPV)予防接種について
対象年齢
生後2か月から7歳6か月未満 (標準的接種年齢:生後2から12か月未満)
接種回数
1期初回3回、1期追加1回
接種間隔
(1期初回)20日以上、標準的には56日までの間隔をおく
(1期追加)1期初回3回接種後、6か月以上、標準的には12から18か月の間隔をおく
病気の説明
ジフテリア(D)の症状
ジフテリア菌の飛沫感染で、口や鼻に入って発症します。
症状は、高熱、のどの痛み、犬吠様のせき、おう吐などがあります。発熱後2~3週間後には菌の出す毒素によって心筋障害や神経麻痺を起こす場合があるため、注意が必要です。
百日せき(P)の症状
百日せき菌の飛沫感染で起こります。
普通のかぜのような症状で始まり、続いてせきがひどくなり、連続的にせき込むようになります。乳幼児はせきで呼吸ができず、せきのあと急に息を吸い込むので、笛を吹くような音がでます。唇が青くなったり(チアノーゼ)、けいれんが起きることがあります。肺炎や脳炎などの重い合併症を起こし、乳児では命を落とすこともあります。
破傷風(T)の症状
土の中にいる破傷風菌が傷口から体内へ入ることによって感染します。
傷口から菌が入り体の中で増え、菌の出す毒素のために、口が開かなくなったり、けいれんをおこしたり、死亡することもあります。患者の半数は自分で気づかない程度の軽い傷が原因です。この病気は人にうつるのではなく土の中にいる菌が原因ですが、日本中どこにでも菌はいるため、感染する機会はあります。
ポリオ(IPV)の症状
ポリオ(急性灰白髄炎)は、「小児まひ」とも呼ばれ、口から入ったポリオウイルスが腸の中で増殖することによって感染します。ポリオウイルスに感染しても、多くは病気としての明らかな症状はあらわれずに、知らない間に免疫ができますが、感染した人の中で、約1,000から2,000人に1人の割合で手足のまひをおこすと言われています。
かつては日本でも大流行した病気ですが、予防接種の効果により、現在は、国内での自然感染はありません。しかし、南西アジアやアフリカ諸国など海外では依然としてポリオが流行している地域があり、このウイルスがいつ国内に入ってくるかわかりません。そのため、現在でもポリオワクチンによる予防は欠かせません。
予防接種の効果
4種混合(DPT-IPV)予防接種は、ジフテリア(D)・百日せき(P)・破傷風(T)と不活化ポリオ(IPV)の各ワクチンを混合したワクチンです。
1期として初回接種3回、追加接種を1回行います。また、2期として、11~12歳時(小学校6年生)に2種混合(DT)としてジフテリア・破傷風の混合ワクチンを1回接種します。
副反応について
主な副反応は、注射部位の紅斑、硬結(しこり)、腫脹などの局所反応があり、注射部位以外では、発熱、気分変化、下痢、鼻漏、咳嗽、発疹、咽頭紅斑、嘔吐などが見られます。
接種を受けた後に、機嫌が悪くなったり、腫れが目立つときなどは、医師にご相談ください。
持ち物
- 母子健康手帳
- 住所、年齢、氏名が確認できるもの(健康保険証等)
※予診票が手元にない場合は、医療機関に置いてあるものをお使いください。
接種にあたっての注意事項
- お子さんの体調の良い時に接種するようにしてください。(体温37.5度以上は接種出来ません)
- 予診票は、保護者が責任をもって記入してください。
- 接種当日は、お子さんの健康状態がわかる保護者が同伴するようにしてください。保護者以外の方が同伴する場合は、委任状が必要です。委任状は、健康係にあります。
- 接種前に、「予防接種と子どもの健康」をよく読み、予防接種の内容をご理解ください。
- 接種会場へは、「母子健康手帳」を必ずご持参ください。(母子手帳がない場合は、接種できません)
- 接種料金は無料ですが、対象年齢を超えて接種する場合、接種料金は自己負担となります。
- 「予診票」「予防接種と子どもの健康」は事前に渡しております。(予診票は医療機関にもあります)
予防接種を受けた後の一般的な注意事項
- 予防接種を受けた後30分間は、医療機関でお子様の様子を観察するか、医師とすぐに連絡を取れるようにしておきましょう。急な副反応がこの間に起こることがあります。
- 接種後、1週間は副反応の出現に注意しましょう。
- 接種部位は清潔に保ちましょう。入浴は差し支えありませんが、接種部位をこするのはやめましょう。
- 接種当日は、激しい運動は避けましょう。
- 接種後、接種部位の異常な反応や体調の変化があった場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。
接種医療機関
1年中接種可能ですが、事前に実施医療機関へ電話による予約(ワクチンの有無の確認)の上、接種してください。
予防接種による健康被害救済制度について
定期接種によって引き起こされた副反応により、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害を残すなどの健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく給付を受けることができます。
健康被害の程度等に応じて、医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、葬祭料の区分があり、法律で定められた金額が支給されます。死亡一時金、葬祭料以外については、治療が終了する又は障害が治癒する期間まで支給されます。
ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の要因(予防接種をする前あるいは後に紛れ込んだ感染症あるいは別の原因等)によるものなのかの因果関係を、予防接種・感染症医療・法律等、各分野の専門家からなる国の審査会にて審議し、予防接種によるものと認定された場合に給付を受けることができます。