令和8年2月24日、松永久市長が、令和8年第1回柳川市議会定例会で、令和8年度の所信表明を述べましたので紹介します。
みなさん、おはようございます。
本日ここに、令和8年第1回柳川市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には公私とも大変ご多用のところ、ご参集をいただき厚くお礼を申し上げます。
本定例会は、市長就任後初めて編成しました本格予算を始めとする重要な議案の審議をお願いするものでございます。議長のお許しをいただきましたので、議案の説明に先立ち、私の所信の一端を述べさせていただきます。
昨年4月に市民の皆様のご支援により市長に就任させていただいて以降、私が市民の皆様に約束した公約の実現に向けて、全力で取り組んでまいりました。
令和8年度は市長2年目の年であり、第3次柳川市総合計画を柱に、さらに充実したまちづくりを進めてまいりたいと考えておりますので、議員の皆様、並びに市民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
さて、最近の日本経済の動向を見てみますと、物価高に賃金の上昇が追いついておらず、多くの国民が厳しい生活を強いられています。そのような中、国民に新たな連立政権の信任を問うとして1月23日の衆議院解散を受け、2月8日に投開票が行われ、自民党単独での議席数が3分の2という結果となりました。第2次高市政権発足で、よりスピーディーな政策実行が想定されますことから、国の動向を注視しながら本市も遅れることなく、地域活性化に取り組まなければならないと考えているところです。
それでは、第3次柳川市総合計画の基本目標に合わせ、私の施策の一端を述べさせていただきます。
まず基本目標1「地域資源を活かした魅力とにぎわいのまち」の主な取り組みについて申し上げます。
昨年12月26日の第8回臨時会で可決いただきました、1人あたり8,000円の商品券の交付事業ですが、委託先である柳川商工会議所のご尽力により、2月20日から順次発送を始めていただいており、市民生活の一助並びに地域経済の活性化になればと考えているところです。その他、国からの物価高騰交付金を活用し、プレミアム商品券の発行や物価高騰に苦しむ各産業への支援も行ってまいりたいと考えております。
本市の基幹産業である農業・漁業では、引き続き所得向上のための取り組みを支援し、後継者や新規就業者が農業・漁業に魅力を感じることが出来る産地づくりを目指してまいります。農業・漁業の新規就業のハードルを低くするため、辞められる方の資材を新規就業者に継承することを促進してまいりました結果、今年度は2件の事業継承があり、来年度以降も更なる事業継承が行われるよう、取り組んでまいります。
農業では、デジタル技術を使ったスマート農業の推進や高収益型農業の推進などを引き続き実施してまいります。漁業では、当初好調だったノリ養殖業も、海況が次第に悪くなっており、今後の海況改善を願っております。そのほか、二枚貝の養殖やガザミ、エビなどの再生を行い、漁業の活性化に努めてまいります。
商工業では、市内にあるキラリと光る元気な中小企業を広くPRすることで、雇用の拡大が図れると考えております。そういった中小企業を積極的に情報発信し、雇用者とのマッチングを行うなどの就業支援のほか、起業支援にも力を入れてまいります。
1月21日には上京し、大河ドラマ招致活動と企業誘致のための企業訪問を行ってまいりました。こうした企業訪問では複数の企業のトップの方と有意義な意見交換を行ってまいりました。まだ誘致に至った企業はございませんが、今後もこうした機会を生かし、一つでも多く誘致できるよう積極的にトップセールスを行ってまいりたいと考えております。
観光業では、近年、外国人観光客、いわゆるインバウンドの増加が目立っており、それに対応することが重要だと考えております。今年3月には台湾出身の地域おこし協力隊の採用を行うようにしており、外国人向けのPR、広報活動を充実させるとともに、外国人観光客の求める日本文化の体験として本市の農業や漁業体験などのコンテンツを新たに開発し、積極的に柳川に呼び込んでまいります。
いずれの産業でも、それぞれの産業従事者や関係団体が主役として輝けるように、ともに語り合い、手を取り合って活性化に向けて努力してまいりたいと考えております。
次に基本目標2「一人ひとりを大切にする子育てと教育のまち」の主な取り組みについて申し上げます。
人口減少が進む中、少子化対策は喫緊の課題であり、特に子育て環境の充実は急務であると考えております。子ども達は将来の柳川市を担う「かけがえのない宝」であり、その成長を支えることは、私たち大人の責任であると念頭に置きながら政策を検討しております。
昨年は断念した中学校の給食費無償化ですが、来年度から国が交付金で小学校の給食費の支援を開始しますので、その財源を活用して、令和8年度から取り組みたいと考えております。
昨年10月から実施した中学生までの入院・通院の無償化ですが、来年度も引き続き実施することで、子育て世帯の経済的な負担を軽減し、安心して子どもを産み育てることができる環境を整えてまいります。
次に、学童保育の待機児童ゼロを目指す取り組みですが、働く親にとって学童保育は、今日では無くてはならないサービスとなっております。そのため、来年度も保護者のニーズを的確に把握し、地域の皆様と協力しながら、待機児童を完全にゼロにすることを目指してまいります。
それから、子育てサポートの充実です。来年度から全国で始まる「こども誰でも通園制度」について、本市でも取り組むこととしており、各園に協力をいただきながら、受け入れ環境を整えてまいりたいと思っております。
次に、学校再編についてです。市長就任直後から小中学校再編の再検討について指示を行っておりましたが、ようやく変更案が固まり、2月20日の議会全員協議会において報告したところです。今回の変更案では、義務教育の9年間を見通し、柳川の特徴・特性を活かした教育を実現するため、本市の目指す教育には何が必要か、児童生徒にとって望ましい教育とは何かを検討し、併せて人口推計をやり直したうえで、全体スケジュールと再編する学校の組み合わせの見直しを行っております。議会に対しましてもしっかりと説明させていただき、市民にもご意見を伺ってまいりたいと考えております。
また、協議が進んでいる蒲池地区、昭代地区の義務教育学校についても、開校に向けた施設改修を行うなど、しっかりと準備を整えてまいります。
合わせて、より良い学校環境の提供に向けて、まず大和中学校と蒲池中学校の体育館に、部活動等の熱中症対策として空調設備の設置も行ってまいりたいと考えております。
さらに、柳川市の文化や歴史についても、教育現場で理解を深める取り組みを強化していきます。今年度は小学生では「キッズパワー全開!発見と挑戦のプレゼンショー」、中学生では、「柳川みらい会議」を実施しており、非常に意義ある発表が行われたと感じております。子どもの時から地域の魅力を学ぶことで、郷土愛を育むことができると考えており、地元の伝統行事や文化体験、北原白秋先生・雲龍久吉関をはじめとする郷土の偉人について学ぶ機会等を通じて子どもたちに地域への愛着を持たせるプログラムを展開してまいります。
次に基本目標3「誰もがいつまでも笑顔で健やかに暮らせるまち」の主な取り組みについて申し上げます。
人生100年時代の社会づくりが求められる中、本市でも若者から高齢者までの全ての市民が元気に活躍し、楽しく長生きできるまちづくりを進めます。まずは高齢者免許証自主返納者支援の拡充を実施したいと考えております。
また健康寿命の延伸のため、特定健診や定期的ながん検診などを促進し、病気の早期発見を図りますとともに、健康教室など、予防事業を充実してまいります。コミュニティセンター等でのeスポーツ等を活用した健康増進も今年度から実施しており、引き続き実施してまいります。住み慣れた地域の中で、みんなで支えあい、生きがいを持って生活していくには、何よりも地域住民の連携が欠かせません。その第一歩として地域の皆様が気軽に集まる場の提供を行うことで、よりよい地域づくりを進めてまいります。
次に基本目標4「独特な景観と機能的な住環境が共存するまち」の主な取り組みについて申し上げます。
2月19日に西日本鉄道株式会社からのプレスリリースにありましたとおり、柳川駅周辺整備事業に係る「にぎわい交流施設」については、宿泊や飲食、物販を含めた機能を持つ2階建て1,500㎡の施設で令和9年6月の開業を目指すとのことです。より一層の柳川駅周辺のにぎわい創出に向け、本市で担うソフト事業やハード事業についても推進してまいります。また、沖端水天宮周辺整備では、今年1月に柳の植栽も終わり、柳川らしい景観が戻りました。今後、観光客の増加につながればと期待しているところです。
次に基本目標5「持続可能な環境と市民が安心できるまち」の主な取り組みについて申し上げます。
近年、地球温暖化等、気候変動の影響により想定外の大雨による水害が発生しております。平成24年の九州北部豪雨は私達の記憶にも未だ鮮明に残っているところです。昨年も8月には1時間あたり65.5mm、10月には1時間あたり73mmと記録的な大雨となり、少なからず被害が出ています。今後も、先行排水を効果的に行うハード整備や地域ごとの自主防災組織の立ち上げ支援などを行いながら、的確な情報発信と迅速な避難指示体制を整えてまいります。
また、今年度は県が新規事業として実施する空家対策事業に参画したいと考えております。本市の空家は年々増加しており、空家の解消は喫緊の課題です。活用意向のある空家に対し、費用の一部を補助するもので、少しでも空家解消につながればと思っております。
次に基本目標6「市民協働と計画的行財政により継続して発展するまち」の主な取り組みについて申し上げます。
現在、窓口で住所変更等の際には、複数の窓口に届け出が必要な場合があり、手続きに時間を要しています。これを解消するために、マイナンバーカードなどを活用した「書かない窓口システム」の導入に取り組み、市民の利便性向上と窓口業務の時間短縮に努めます。
また、令和7年度から実施しております庁舎再編事業ですが、令和8年度中に本体工事を終了し、令和9年5月の供用開始を予定しています。合わせて既存庁舎の改修工事についても着手したいと考えております。
以上が、基本方針ですが、実現するためには財源確保にも努めなければなりません。ご承知のように本市は依存財源に頼った財政構造であり、自由に使える財源は限りあるものとなっております。
そのため、まず、ふるさと納税の確保に努めてまいりたいと考えています。全国的にふるさと納税額は右肩上がりで成長しており、こうした状況を逃すことなく、返礼品登録事業者の新規開拓を進めますとともに、返礼品のブランディングによる商品価値を向上させるなど、全国に通用する商品を開発し、ふるさと納税の増大につなげてまいります。また、ふるさと納税には企業版ふるさと納税もあります。その寄附を募るためには本市が実施する地方創生プロジェクトを理解し、賛同していただく必要があります。そのために私自身が積極的にPRしながら声掛けを行ってまいります。
次に、既存事業の見直しや公共施設の適正配置にも取り組んでまいりたいと考えております。事業を行う際には、国県の補助事業を積極的に活用することで自主財源の支出を減らし、費用対効果が低い事業については、廃止も含め改善に取り組んでまいります。公共施設についても同様で、費用対効果や意義、機能など様々な視点で検証していきたいと思っております。
ここまで様々なことを述べてまいりましたが、何と言っても本市最大の課題は、人口減少に歯止めをかけることだと認識しております。まずは子育て政策を推進し、その後に産業、防災、環境など各分野に波及効果を及ぼすよう取り組んでまいります。この取り組みや政策課題をスムーズに推進するため、令和8年4月には組織改編を行います。
以上、意を尽くしませんが、市政運営に関する私の所信の一端を述べさせていただきました。市長としてのリーダーシップをもってスピード感を持ちながらも、地に足をつけ、また、市政運営の両輪である議員各位に十分ご説明申し上げ、ご理解を得ながら進めると同時に、市民の皆様の声に耳を傾け、一緒に考え、一緒に行動してまいりたいと思います。議員の皆様、市民の皆様のご指導とご支援を心よりお願い申し上げ、所信表明とさせていただきます。
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