○柳川市火災予防違反処理に関する事務処理要領
令和3年3月29日
消防本部訓令第11号
(趣旨)
第1条 この要領は、柳川市火災予防違反処理規程(平成27年柳川市消防本部訓令第19号。以下「規程」という。)第36条の規定に基づき、違反処理の実施について必要な事項を定めるものとする。
(違反処理担当者の責務)
第2条 違反処理を行う担当者は、次に掲げる違反処理業務の適正な執行に努めなければならないものとする。
(1) 違反の調査に関すること。
(2) 改善計画書等の提出指導及び追跡確認に関すること。
(3) 違反処理への移行時期の管理に関すること。
(4) 違反処理に係る違反内容の精査に関すること。
(5) 代執行及び略式の代執行の手続き並びに事務処理に関すること。
(6) 違反処理業務に係る情報の収集、資料の作成、整備に関すること。
(7) 各種報告に関すること。
(8) その他違反処理業務に関し必要なこと。
(1) 柳川市火災予防査察等に関する規程(平成17年柳川市消防本部訓令第11号。以下「査察規程」という。)第11条に規定する立入検査結果通知書若しくは第14条に規定する勧告書(以下「通知書等」という。)に示した期限までに査察規程第13条に規定する改善の報告を提出しない等、指摘した違反の具体的な改善意思が認められないとき。
(2) 指摘した違反の改善結果が報告された場合であっても、当該違反の改善が未了若しくは不十分であるとき。
(3) 指摘した違反の改善計画が報告された場合であっても、当該報告に定める改善予定日までに当該違反の改善が完了する見込みがないとき。
(4) 指摘した違反が、直ちに処理基準に示す措置をとる必要があると認める場合で、査察等の終了時までに是正されないとき。
(5) 同種の違反を繰返すなど悪質と認められる場合で、当該違反が査察等の終了時までに是正されないとき。
2 複数の違反が存する防火対象物又は製造所等(以下「対象物等」という。)において、一部の違反について処理基準に示す措置をとる場合にあっては、他の違反についても、あわせて行うことができるものとする。
(違反処理の留保)
第4条 規程第6条第3項に規定する違反処理を留保することができる合理的な理由は、次に掲げるものとする。
(1) 都市計画に基づく諸工事が具体化し、建物の移転又は改築が予定されている場合で違反の程度と比較衡量して違反処理を留保することが妥当と判断できること。
(2) 老朽等による建物の取壊し、及び跡地利用が具体化している場合で、違反の程度と比較衡量して違反処理を留保することが妥当と判断できること。
(3) 対象物等における所有権等の権利関係について係争中であり、違反処理の名あて人が特定できない場合で違反の程度と比較衡量して違反処理を留保することが妥当と判断できること。
(4) その他消防長が、社会通念上妥当と判断できる事由があること。
2 違反処理を留保した場合は、違反内容の危険性に応じた代替措置又は防火管理上の安全措置を講じさせるとともに、その事実を記録しておくものとする。
(違反の調査及び報告)
第5条 規程第7条第2項の規定に基づく調査は、違反が処理基準の警告の措置をとるべきものに該当する場合にあっては、査察等により把握している違反に関する事実関係に不足があるときに行うものとし、それ以外については、原則として調査を行うものとする。
3 違反調査にあたっては、次の事項に留意して実施すること。
(1) 適正かつ公平な調査を旨とし厳正な態度で臨むこと。
(2) 関係者等の民事上の紛争には関与しないこと。
(3) 防火対象物の用途、構造、規模、収容人員等、増改築又は用途変更等の時期の確認は、特に正確に行うこと。
(4) 違反を行った者の特定を確実に行うこと。
(5) 資料の収集にあたっては、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第4条又は第16条の5に基づく、資料提出命令、報告徴収等の権限を有効に活用すること。
(6) 違反事実の証拠保全のため、写真を積極的に活用すること。
(7) 必要に応じ法第35条の13の規定に基づく関係機関への照会及び協力を求めること。
(8) 違反者又は目撃者等の参考人に対する質問調書を作成する場合は、早期に行うこと。
(9) 告発に係る違反調査は、刑法総則の適用を考慮して行うこと。
(1) 許可及び特例認定の取消し、法第13条の24の規定に基づく命令(以下「解任命令」という。)、告発又は代執行に該当する事案については、様式第3号によること。
(2) 警告、命令(解任命令を除く。)、過料事件の通知又は免状返納命令要請措置等に該当する事案については、様式第4号によること。
5 違反調査報告書には、次に掲げる書類を添付するものとする。
(1) 査察規程に定める立入検査結果報告書の写し
(2) 質問調書(作成した場合に限る。)
(3) 実況見分調書(作成した場合に限る。)
(4) 写真説明表(様式第5号)(作成した場合に限る。)
(5) 違反処理関係書類(作成した場合に限る。)
6 違反調査のために、関係者に任意で出頭を要請する場合は、必要に応じ、任意出頭要請書(様式第6号)によるものとする。
(警告)
第6条 規程第8条第3項に規定する警告書の使用区分は、次によるものとする。
(1) 処理基準に示す命令の前提として行う警告の場合 規程様式第1号
(履行状況の確認)
第7条 規程第9条第1項に規定する査察を行った場合、警告事項については、通知書等による通知を行わないものとする。
(聴聞の要領)
第8条 規程第11条第1項に規定する聴聞の要領は、行政手続法(平成5年法律第88号)、柳川市行政手続条例(平成17年柳川市条例第11号)、柳川市行政手続条例施行規則(平成17年柳川市規則第17号)、柳川市聴聞及び弁明の機会の付与の手続に関する規則(平成17年柳川市規則第18号)及び柳川市消防本部聴聞要綱(平成17年柳川市消防本部訓令第30号)によるものとする。
(弁明の機会の付与の要領)
第9条 規程第11条第2項に規定する弁明の機会の付与の要領は、行政手続法、柳川市行政手続条例、柳川市行政手続条例施行規則及び柳川市聴聞及び弁明の機会の付与の手続に関する規則によるもののほか、次によるものとする。
(1) 弁明の機会の付与の通知は様式第7号により行うものとする。
(2) 前号の通知の名あて人又はその代理人が正当な理由なく通知した弁明の場所に出頭しないときは弁明を行ったものとする。
(3) 口頭による弁明を認めた場合における、弁明の期日の変更については、柳川市聴聞及び弁明の機会の付与の手続に関する規則第6条の規定を準用するものとする。
2 口頭による弁明の機会を付与した場合は、書記を命じられた職員がその場で弁明記録書(様式第8号)を作成するものとする。
(聴聞又は弁明の結果に基づく命令等の決定)
第10条 聴聞又は弁明に係る命令等の決定は、聴聞又は弁明の結果を十分しんしゃくして行うものとする。
(命令の区分)
第11条 規程第13条第3項に規定する命令書の使用区分は、次によるものとする。
(1) 法第3条第1項に規定する命令を行う場合
(2) 法第5条第1項及び第5条の2第1項に規定する命令を行う場合
(3) 法第5条の3第1項に規定する命令を行う場合
(4) 法第13条の24に規定する命令を行う場合
(5) 前4号に掲げる命令以外のもので当該命令違反に対する罰則が定められている命令を行う場合
(6) 命令違反に対する罰則が定められていない命令を行う場合
(7) 規程第13条第5項に規定する法第3条第1項及び法第5条の3第1項の規定に基づく消防吏員による命令を行う場合
(消防長以外の消防吏員の命令に係る留意事項)
第12条 規程第13条第5項に規定する命令は、当該違反を覚知した現場で作成するものとする。
(1) 対象物等の管理権原が単一である場合は、当該対象物等の全ての出入口付近で、利用する者が容易に確認できる場所に設置すること。
(2) 当該対象物等の管理権原が複数である場合、命令を受けた管理権原者の管理する部分の出入口に標識を設置することとし、必要と認めるときは、当該対象物等の全ての出入口付近で、利用する者が容易に確認できる場所にも設置すること。
(3) 暴行若しくは脅迫により標識の設置を拒まれ若しくは妨げられた場合又は設置した標識を除去若しくは損壊された場合については、告訴又は告発等の必要な措置を講じること。
2 規程第16条第1項に規定する標識の設置以外の公示の方法は、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)及び柳川市火災予防規則(平成27年柳川市規則第28号)並びに危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)に定めるところにより、次のとおりとする。
(1) 消防本部の掲示場への公示書(様式第11号)の掲示
(2) 消防本部ホームページへの掲載
(催告)
第15条 規程第17条に規定する催告は、次に掲げる場合に必要に応じて行うものとする。
(1) 命令事項が履行されないとき。
(2) 命令事項に履行期限が定められているものにあっては、履行期限までに命令事項が履行される見込みがないとき、又は履行期限が経過したとき。
(命令の解除を要する事案と事務処理要領)
第16条 規程第18条第1項に規定する命令は、対象物等の使用の禁止、停止又は制限とする。
2 命令の解除は、命令の効力を継続させる公益上の必要性がなくなった場合に行うものとする。
2 許可取消書を交付したときは、速やかに許可書を返納させるとともに、危険物の除去状況を確認するものとする。
(特例認定の取消し)
第18条 規程第20条に規定する特例認定の取消しを行う場合は、当該措置の原因となる違反が是正された場合においても、当該措置の留保をしないものとする。
(告発の留保理由)
第19条 規程第21条第1項に規定する告発を留保する理由は、次に掲げるものとする。
(1) 違反事実の立証ができないこと。
(2) 違反者の特定ができないこと。
(3) 前2号に掲げるもの以外で、消防長が告発を留保することが妥当であると認める事由が存すること。
(1) 違反調査報告書
(2) 通知書等
(3) 警告書及び命令書の写し
(4) 聴聞及び弁明に関する書類
(5) 危険物収去証
(6) 製造所等の許可書及び認可書の写し、届出書等
(7) 防火対象物使用開始届出書及び消防用設備等設置届出書
(8) 資料提出命令書及び報告徴収書の写し
(9) 質問調書
(10) 実況見分調書
(11) 図面及び写真
(12) 危険物取扱者免状又は消防設備士免状の写し
(13) 納品伝票等
(14) その他違反事実及び情状の認定に必要な資料
(過料事件の通知)
第21条 規程第24条に規定する過料事件の通知を行う違反の要件は、法第8条の2の3第5項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)及び第17条の2の3第4項に規定する届出を3か月以上怠っている場合とする。
(1) 物件の滅失及びき損の防止
(2) 盗難の防止
(3) 危険物又は燃焼のおそれのある物件については、火災等の発生防止
2 消防長は、除去物件の所有者、管理者又は占有者で権原を有する者(以下「所有者等」という。)であることを主張する者から保管物件の返還を求められた場合は、次に掲げる区分による書類等の提示を求め、権利の存否を確認するものとする。
(1) 所有者等本人の場合 住民票並びに住所及び氏名等を証明できる書類
(2) 所有者等の代理人の場合 所有者等の委任状、住民票、及び印鑑証明並びに代理人の身分証明書
3 前項により所有者等であることが認められるときには、次に掲げる区分により、それぞれの書類を提出させるものとする。
(1) 返還を求められた場合において物件が保管されているとき 保管物件返還請求書(様式第13号)
(2) 返還を求められた場合において物件が売却されているとき 売却代金返還請求書(様式第14号)
(代執行の留意事項)
第23条 規程第27条に規定する代執行を行う場合には、次に掲げる事項に留意すること。
(1) 代執行執行責任者は、原則として課長級の職員とし、複数の者を指定しておくこと。
(2) 警察官等中立な立場にある第三者を立会人としておくこと。
(3) 物件を除去する際には、調書を作成すること。この場合、立会人の立会いのもとに行い、各動産の位置、数量を確認し、図面を作成しておくこと。
(4) 代執行を行う場合は、作業の内容、規模等から、第三者に作業を行わせる方法を選択することができること。
(5) 代執行に要した費用を行政代執行法に基づき徴収等したときは、柳川市財務規則(平成17年柳川市規則第45号)に定めるところにより処理するものとする。
(略式の代執行の手続及び留意事項)
第24条 規程第29条に規定する略式の代執行を行うにあたっては、次に掲げる事項に留意すること。
(1) 除去作業中に所有者等を確知した場合は、作業を中止し、所有者等に物件の除去等の必要な措置をとらせること。
(2) 規程第29条第2項に規定する事前公告は、法第5条の3第2項の規定に基づく略式の代執行を行う際に掲示するものとする。ただし、緊急の必要性があると認めるときは除く。
(4) 物件の除去又は保管について費用の支出を要するとき及び売却したときは、柳川市財務規則その他の財務関係規定(以下「財務関係規程」という。)の定めるところにより処理すること。
(5) 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第64条第6項の規定に基づき、規程第29条第3項の掲示を行った日から6月を経過した物件の所有権については、柳川市に帰属するので、財務関係規定の定めるところにより適正な処分を行うこと。
2 規程第30条第2項に規定する福岡県知事への報告の添付書類は次に掲げるもののうち必要な書類とする。
(1) 実況見分調書(写し)
(2) 質問調書(写し)
(3) 現場見取図、平面図等
(4) 写真
(5) 危険物取扱者免状(写し)及び消防設備士免状(写し)
(6) 請書、見積書等
(7) その他関係書類
(再発防止)
第26条 規程第31条に規定する事案は、次に掲げるものとする。
(1) 製造所等において、甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者の立会いなく、危険物取扱者の免状の交付を受けていない者(以下「無資格者」という。)が危険物を取り扱っているもの
(2) 違反により火災等の災害が発生又は延焼拡大したと認められるもの
(3) 違反を繰り返すなど悪質であると認められるもの
(4) その他措置を行うことが適当と認められるもの
2 規程第31条に規定する再発防止を図るための措置は、次に掲げるものとする。
(2) 前項第1号以外の事案については、注意を促す書面の交付又は始末書の徴収等とする。
(送達)
第27条 規程第32条第2項に規定する配達証明及び内容証明の取扱いにより郵送する場合は、郵便法(昭和22年法律第165号)及び郵便法施行規則(平成15年総務省令第5号)の規定に基づき行うものとする。
(関係機関との連携)
第28条 規程第33条第2項に規定する照会を行う場合は、照会を行う関係機関に過大な負担をかけないよう留意すること。
2 前項の台帳は、違反処理の経過について記録し、違反処理の過程において生ずる書類等とともに管理するものとする。
3 規程第35条第3項に規定する関係資料は、警告書及び命令書等の写しその他関係書類とする。
附則
この要領は、令和3年4月1日から施行する。