
小児用肺炎球菌ワクチンの接種について
対象年齢
生後2か月~5歳未満 (標準的な接種開始:生後2~6か月)
接種回数
*接種を開始した年齢(月齢)で異なります。
接種間隔
生後2~6か月で接種を開始した場合…4回
初回接種:標準的には、27日以上の間隔で、1歳までに3回
追加接種:3回目終了後、60日以上あけて、1歳以上で1回
生後7~11か月で接種を開始した場合…3回
初回接種:標準的には、27日以上の間隔で、1歳までに2回
追加接種:2回目終了後、60日以上あけて、1歳以上で1回
1歳で接種を開始した場合…2回
60日以上の間隔で2回
2歳~4歳で接種を開始した場合…1回
病気の説明
肺炎球菌は、肺炎球菌という細菌によって発生する病気で、子どもの感染症の2大原因の一つです。
肺炎球菌は身近に存在する菌ですが、乳幼児のうちの抵抗力が低い時や、体力が落ちた時に発症しやすくなります。肺炎球菌にかかると、髄膜炎や菌血症、肺炎、中耳炎などの感染症を引き起こします。特に髄膜炎をきたした場合には2%の子どもが亡くなり、生存した子どもの10%に難聴、精神発達遅滞、四肢麻痺、てんかんなどの後遺症を残すと言われています。
予防接種の効果
肺炎球菌には、90以上の種類があり、15価肺炎球菌ワクチンはそのうち15種類、20価肺炎球菌ワクチンは20種類の肺炎球菌に対して予防効果があります。小児の肺炎球菌による侵襲性肺炎球菌感染症(※)は、肺炎球菌ワクチンの定期接種等が実施される以前の2008年から2010年は10万人(5歳未満)あたり約24から26人が病気にかかっていましたが、2022年には約4.8人と、約8割の患者数の減少がみられています。
※侵襲性感染症とは、本来は菌が存在しない血液、髄液、関節液などから菌が検出される感染症のことです。
副反応について
主な副反応は、接種部位の局所反応として、発赤、腫れ、痛みなどが認められますが、おおむね軽度で自然に回復します。そのほか、全身的な副反応として、発熱なども認められます。
持ち物
- 母子健康手帳
- 住所、年齢、氏名が確認できるもの(健康保険証等)
※予診票が手元にない場合は、医療機関に置いてあるものをお使いください。
接種にあたっての注意事項
- お子さんの体調の良い時に接種するようにしてください。(体温37.5度以上は接種出来ません)
- 予診票は、保護者が責任をもって記入してください。
- 接種当日は、お子さんの健康状態がわかる保護者が同伴するようにしてください。保護者以外の方が同伴する場合は、委任状が必要です。委任状は、健康係にあります。
- 接種前に、「予防接種と子どもの健康」をよく読み、予防接種の内容をご理解ください。
- 接種会場へは、「母子健康手帳」を必ずご持参ください。(母子手帳がない場合は、接種できません)
- 接種料金は無料ですが、対象年齢を超えて接種する場合、接種料金は自己負担となります。
- 「予診票」「予防接種と子どもの健康」は事前に渡しております。(予診票は医療機関にもあります)
予防接種を受けた後の一般的な注意事項
- 予防接種を受けた後30分間は、医療機関でお子様の様子を観察するか、医師とすぐに連絡を取れるようにしておきましょう。急な副反応がこの間に起こることがあります。
- 接種後、1週間は副反応の出現に注意しましょう。
- 接種部位は清潔に保ちましょう。入浴は差し支えありませんが、接種部位をこするのはやめましょう。
- 接種当日は、激しい運動は避けましょう。
- 接種後、接種部位の異常な反応や体調の変化があった場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。
接種医療機関
1年中接種可能ですが、事前に実施医療機関へ電話による予約(ワクチンの有無の確認)の上、接種してください.
予防接種による健康被害救済制度について
定期接種によって引き起こされた副反応により、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害を残すなどの健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく給付を受けることができます。
健康被害の程度等に応じて、医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、葬祭料の区分があり、法律で定められた金額が支給されます。死亡一時金、葬祭料以外については、治療が終了する又は障害が治癒する期間まで支給されます。
ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の要因(予防接種をする前あるいは後に紛れ込んだ感染症あるいは別の原因等)によるものなのかの因果関係を、予防接種・感染症医療・法律等、各分野の専門家からなる国の審査会にて審議し、予防接種によるものと認定された場合に給付を受けることができます。