乳がんは自分で発見できる数少ないがんです。
ふだんの乳房の状態を知らなければ、乳房に何か異常があっても気がつきません。早期発見のため、毎月1回はセルフチェックをしましょう。
チェックに適した時期
- 月経のある方は、月経が終わって4から5日後くらいに(乳腺が安定しています)
- 閉経後の方は、ご自身の覚えやすい日に(たとえば毎月1日など)
セルフチェック(自己触診)の方法
見てチェック!
(1)鏡の前に立ち、腕を下げたまま、自分の乳房の大きさや形にいつもと違いがないかを確認します。乳房のどこかにくぼみやひきつれた所はないか、乳首がへこんだり、湿疹のようなただれができていないかを調べます。
(2)両腕を上げて、正面、側面、斜めを鏡に映し、同じように観察します。
さわってチェック!
(3)片腕を上げて、調べる乳房とは反対の手で、人差し指から小指までを揃えて、乳房全体を指の腹で円形を描きながら、軽く圧迫して、しこりがないか確認します。上は鎖骨の所まで、わきの下は手が届くまで広い範囲を調べます。入浴時に石鹸をつけるとスムーズに触診できます。
- 「しこりかな」と思ったら反対側の乳房の対称的な位置と比べてください。しこりは指と肋骨の間にはさむとよく分かります。
- しこりがあると、かすかに盛り上がった感じや硬い感じが、指先に伝わってきます。乳がんのしこりは硬めで、表面はでこぼこしていて、触れても痛みはありません。
(4)あおむけに寝て、右乳房を調べるときは右肩の下に座布団か薄い枕を敷き、乳房が垂れず胸の上に平均に広がるようにします。
(5)乳房の内側半分を調べるには、右腕を頭の後方に上げ、左手の指の腹で、軽く圧迫して、まんべんなく触れてみます。
(6)外側半分を調べるには、右腕を自然の位置に下げ、やはり左手の指の腹で同じようにまんべんなく触れてみます。
(7)右の乳房を調べたら、左の乳房を同じ要領で調べます。
(8)左右の乳首を軽くつまみ、お乳をしぼり出すようにして、血液のような異常な液が出ないかを調べます。
※毎月セルフチェックをしているうちに自分の乳房の普通の状態がわかり、異常を早く見つけられるようになります。少しでも異常があったら、ためらわず専門医の診察を受けましょう。
※セルフチェックと並行して、2年に1回は必ず乳がん検診を受けましょう。
自覚症状のある方は…
次のような自覚症状のある方や、セルフチェックで何か異常に気づいた方は、検診を受けるのではなく、すみやかに専門医の診察を受けてください。
- 乳房をさわると『しこり』のようなものがある
- 左右の乳房の大きさが極端に違う
- 乳房の表面にえくぼのようなくぼみや、ひきつれがある
- 乳頭に異常がある(ただれ、分泌物等)
※しこり等の症状があっても、乳がん以外の病気の場合もありますので、怖がらずに診察を受けてください。