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令和2年度所信表明

2020年3月9日

 

金子健次市長は令和2年2月25日、令和2年第1回柳川市議会定例会で、令和2年度の所信表明を述べましたので紹介します。

 

 

皆さん、おはようございます。
本日ここに、令和2年第1回柳川市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には公私とも御多用のところご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。
はじめに、新型コロナウイルスの対応について申し上げます。新型コロナウイルス感染症による肺炎患者が、日本国内でも発生し、その数は、日ごとに増えるという状況になっています。今月20日には、福岡市でも2名の方が感染したというニュースがありました。
柳川市においても、不測の事態に備えるため、全庁的な対処が必要とされることから、18日に新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、公共施設等への消毒液の配置やポスターの掲示を行い、「手洗い・洗顔」や「咳エチケット」などの注意喚起を行っているところです。過剰に心配することなく、謙虚に備えることが大事であると考えます。
さて、本定例会は、令和2年度の当初予算を始めとする重要な議案のご審議をお願いするものでございます。議案の説明に先立ちまして、令和2年度の市政運営に臨む私の所信の一端を申し上げ、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと存じます。
さて、昨年は福岡県と西日本鉄道株式会社との共同で、西鉄柳川駅前周辺整備事業を実施することと致しました。
掘割を二ツ川から西鉄柳川駅西口まで引き込み、駅からすぐに川下りを楽しめるように、乗船場を整備いたします。また、周辺の広場や道路の整備を市が、飲食・物販・観光案内機能などを持つ、柳川らしい、にぎわいのある交流施設を西日本鉄道株式会社が建設されます。整備完了は、令和6年度を予定しています。
また、航空機の佐賀空港への着陸経路が、3月26日から見直されることになりました。昨年6月、国土交通大臣あてに提出した「佐賀空港の西側海上からの計器着陸装置の設置要望」に対し回答されたものです。着陸経路の見直しにより、市上空を通過する回数は、着陸回数全体のおおむね5%以下へと大幅に減少します。
また、平成16年度より着手され、地元の理解・協力のもと、平成27年度から始まった中島地区の築堤工事が、浦島橋から下流部の土堤にかけて、完成致しました。昭和30年代に築造されたコンクリート製の堤防を土堤にする事業で、これにより、流域住民の防災・安全性が大きく向上しました。
一方、7月から8月にかけての台風や記録的な豪雨により、倒伏や潮風による塩害、冠水による湿害など、米、大豆を中心に甚大な被害が発生しました。また、有明海への流木の流出など、水産業へも大きな被害が生じました。
市といたしましては、いち早く復旧して頂くためにも、国・県などの補助事業への対応、更に福岡県農業共済組合に出向き、迅速な対応をしていただけるよう緊急要請書を提出してまいりました。今後とも、大雨時の内水氾濫の対策として、大雨が予想される場合には、事前に水路内の水位を下げ、また、排水ポンプを活用するなど、できる限りの対策を行って参ります。

それでは、第2次柳川市総合計画の将来像「水と人とまちが輝く 柳川」を実現するための政策目標である「ひとづくり」「まちづくり」「ふるさとづくり」「しごとづくり」に合わせ、私の施策の一端を述べさせていただきます。

 

 

 若い世代の希望を叶え、柳川の子育て、暮らしに幸せを感じるひとづくり

 

まず1点目の政策目標、「若い世代の希望を叶え、柳川の子育て、暮らしに幸せを感じるひとづくり」の主な取組みについて申し上げます。
最初に、子育て世代包括支援センター事業について説明いたします。人口減少や少子高齢化、核家族化の急速な進展により、育児に関する相談ができずに、負担感や不安、孤立感を感じる親が増加しています。このため、母子保健事業と子育て支援事業の一体的な実施など、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行い、あわせて関係機関との連絡調整の役割を担うため、柳川庁舎子育て支援課内に「子育て世代包括支援センター」を4月に設置します。
次に、スマートフォンを活用した、母子手帳アプリ導入事業について、説明いたします。
妊娠期から子育て期に関する理解を深め、子育てによる不安を軽減し、子育てしやすい環境をつくるため、若い世代の情報収集手段であるスマートフォンに着目し、妊娠・出産・子育て期の情報提供の方法として、スマートフォンアプリによるサービスを導入するものです。
次に、柳川市産後ケア事業「ゆりかごサポート」について説明いたします。
先程申し上げました、「子育て世代包括支援センター」の新規事業として、産後ケア事業「ゆりかごサポート」を実施します。この事業は、「小児科医と助産師によるママとベビーのなんでも相談」と題して、産後うつや育児不安、母乳の悩み、赤ちゃんの身体のことやお母さんの心と身体の心配ごとについて小児科医による相談や助産師による母乳ケアなどを実施して、安心して子育てができるように産院退院直後からの支援を行います。
次に、地域子育て支援拠点施設整備事業について説明いたします。柳城児童館は、これまで育児に関する不安、孤立感を解消し、安心して子育てができる環境づくりを行ってきました。しかし、建設から52年を経過し老朽化が進んでいるため、これに代わる新たな子育て支援拠点施設を整備するものです。令和2年度に設計、令和3年度に建設を行い、令和4年4月オープンを目指します。
次に、給食材料費等の公会計化について説明いたします。これまで学校給食費は、学校や保護者の協力のもとで集金し、そのお金で学校や調理場が食材費を支払う私会計方式でありました。これを市の一般会計で行う公会計とし、集金の負担を軽減するとともに、学校や調理場が給食費の現金を扱わなくなることで、事務の透明化や軽減を図って参ります。
次に、放課後児童クラブ支援員処遇改善事業について、説明いたします。核家族化や共働き家庭の増加等により依然として放課後児童クラブのニーズは高い状況にあります。しかしながら、各放課後児童クラブでは慢性的に支援員不足の状況が見られることから、報酬等の見直し、資格手当の支給、有給休暇取得時の代替職員報酬分を委託料に加算すること等により、支援員の処遇改善を図るものです。

 

 

水郷柳川の風情や快適さに共感し人を惹きつけるまちづくり

 

2点目、「水郷柳川の風情や快適さに共感し人を惹きつけるまちづくり」の主な取組みについて申し上げます。
まず初めに、水郷柳河掘割地区整備事業並びに掘割の夜間景観整備事業について、説明します。本事業につきましては、本市都市計画マスタープランで、都市づくりの核となり、役割に応じた機能を集積する拠点として、西鉄柳川駅周辺の「広域拠点」、沖端地区の「観光拠点」、水の郷や本年12月オープン予定の市民文化会館周辺の「文化拠点」を設定しています。
加えて、本市景観計画での景観重要地区、名勝水郷柳河の指定地を含んだ範囲を事業地区に設定し、拠点の機能強化と拠点間の連携強化、柳川らしい景観づくりに取り組むことで、住民や観光客の満足度の向上や地域の活性化、市街地の賑わいの創出を図ってまいります。
本事業では、西鉄柳川駅周辺及び沖端水天宮周辺の、掘割や道路の改修整備等の他、市民や来訪者が地域で過ごす時間をより豊かにするため、昼間の景観だけでなく、夜間景観の質の向上も重要と考え、名勝に指定された「水郷柳河」をめぐる「主要川下りコース沿い」を対象とし、「静かで優しい光」「水を感じる光」をコンセプトにストーリー性のある夜間景観づくりにも取り組んでまいります。
なお、財源としては、本年4月から導入される福岡県宿泊税を財源として市町村に交付される「福岡県宿泊税交付金」を活用いたします。
次に、ホタルの舞う環境整備事業について説明いたします。立花いこいの森公園内のせせらぎ水路の環境改善や、関係団体と連携しながら、幼虫の飼育環境を整備することにより、安定したホタルの個体数を生息させ、市民の憩いの場としてホタルが飛び交う環境をつくるとともに、水郷柳川の風情を共感できるようなまちづくりを目指して参ります。
次に、柳川市可燃ごみ減量作戦プロジェクト事業について、説明いたします。
廃棄物行政につきましては、みやま市と共同整備する新ごみ焼却施設の建設工事が順調に進んでおり、令和4年春に竣工予定です。稼動後1年間の可燃ごみ排出量で建設費の負担割合が決まるため、可燃ごみ減量は本市の喫緊の課題でございます。
これに関連し、昨年、可燃ごみ減量に向けた取り組みの方策を有識者や市民の代表者などから成る柳川市廃棄物減量等推進審議会で検討いただき答申を受けました。今年度はこの答申に基づくさまざまな方策に取り組んで参りたいと考えております。
搬入手数料の値上げを始め、可燃ゴミ袋の値上げとともに資源ごみ袋を値下げするなど“分別すれば得をする”をスローガンに資源物の分別を促進するためのイベントや啓発活動を進めて参ります。
次に、災害からまちを守り誰もが安全で安心できるまちづくりのため、消防・防災設備の充実、住環境の改善を図るため、次の事業を行います。
初めに、13mブーム付多目的消防ポンプ自動車購入事業について説明いたします。
老朽化している東部出張所の水槽付き消防ポンプ自動車に換えて導入する多目的消防ポンプ自動車は、これまでの水槽付き機能に加え、水を有効利用できる圧縮空気泡消火装置と、地上からの高さは、ビル5階相当の13.7m、地下2.1mまで届く軽量アルミ製ブームを搭載しています。
このことにより、救助戦術が広がるだけでなく、中層建築物等における火災への対応及び高所からの放水も可能となります。
次に、防災行政無線 屋外拡声子局 増設事業について説明いたします。
防災行政無線は、防災、応急救助、災害復旧に関する業務に使用する無線局で、平常時も情報伝達に利用できます。柳川庁舎内に親局をおき、屋外拡声機や戸別受信機を通じて、市から直接・同時に防災情報や行政情報を伝えるシステムです。令和元年度末までに屋外拡声機を全部で39局整備し、さらに令和2年度に16局増設予定で、来訪者を含め市内にいる人すべてに、速やかに情報が伝わるよう伝達体制の充実を図ります。

 

 

柳川の歴史・文化・風土に誇りと愛着を持つふるさとづくり

 

3点目、「柳川の歴史・文化・風土に誇りと愛着を持つふるさとづくり」の主な取組みについて申し上げます。
令和2年は、立花宗茂が柳川に再封されて400年の節目の年です。これを機に市民をはじめ多くの人が柳川の偉人を学び理解することにより、郷土愛の醸成をはかります。
このため、立花宗茂再封400年記念特別展「宗茂再封!」を、令和2年12月から令和3年2月にかけて、立花家資料館と共同で開催します。また、引き続きNHK大河ドラマの招致に向け、福岡県や縁のある自治体などと協力し招致活動を行ってまいります。
次に、郷土の歴史文化財案内板改修事業について、説明いたします。
市内には、文化財案内板や標柱が200件ほど確認されています。これらの案内板等について、経年による劣化が見うけられることから、市が設置したもので、破損しているものや内容が読みづらいものについて、集中的に修理を行うものです。また、地元団体等から要望が多い箇所への文化財案内板の設置も併せて行っていきます。
次に、柳川市の新たな文化交流拠点となる市民文化会館が令和2年12月20日に開館します。それに伴い、令和4年までを市民文化会館の普及促進の強化期間と位置づけ、文化会館自主事業実行委員会を主体とした文化振興等の拡大に向けた事業を展開して参ります。

 

 

柳川の地域資源や産物を誇れるしごとづくり

 

4点目、「柳川の地域資源や産物を誇れるしごとづくり」の主な取組みについて申し上げます。
初めに、観光プラットフォーム構築事業について説明いたします。経済波及効果が大きい観光は、急速に成長するアジアをはじめとする世界の観光需要を取り込むことにより、地域活性化、雇用機会の増大など、大きな効果が期待されています。
本市においても、地域が一丸となって個性あふれる観光地域を作り上げ、その魅力を自ら積極的に発信していくことで広く観光客を呼び込み、地域の経済効果を高める対策に取り組むため、推進母体となる「観光プラットフォーム(仮称)」の組織構築を目指していきます。
次に、スマート農業推進事業について、説明いたします。水田農業における担い手不足、高齢化を踏まえICT技術を活用したスマート農業機械の導入により、経営規模の拡大省力化、生産者の所得向上を図ります。
次に、漁協共同利用施設整備事業について説明いたします。漁協が整備する共同利用施設である海苔網冷凍保存冷蔵庫・冷却設備、佃煮加工施設等に補助金を交付することで、水産業の振興を図るものです。

 

 


以上、意を尽くしませんが、市政運営に関する私の所信の一端を申し述べさせていただきました。

今年は、第2次柳川市総合計画の後期基本計画と第4次柳川市行財政改革大綱のスタートの年であります。
本市のこれからの大きな課題である子育て環境、雇用の場の確保等に対する解決策として、ふるさとづくり、ひとづくり、まちづくり、しごとづくりという4つの柱に沿って、長期的かつ総合的な行政運営を図り、その実現に向け、事業を進めて参ります。
一方で、人口減少や少子高齢化に起因した行政需要は拡大、多様化しており、暮らしの安全安心の取り組みや地方創生に向けた取り組み等を、地域の実態に則して推進していく必要があります。このため、限りある資源を最大限に活用し、迅速かつ的確に応えていくとともに、持続可能な財政運営を維持し、本市を取り巻く状況や時代の潮流に対応しながら取り組んで参ります。
行政と市民の皆様がともに汗をかき、ともにまちづくりを行うことで、柳川市の将来像「水と人とまちが輝く 柳川」を達成できると思います。
今後とも、どうか市民の皆様、議員の皆様の一層のご理解とご協力をお願い申し上げまして、所信表明とさせていただきます。

 

 

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