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令和4年度所信表明

2022年3月23日

 

令和4年2月28日、金子健次市長が、令和4年第3回柳川市議会定例会で、令和4年度の所信表明を述べましたので紹介します。

 

 

 皆さん、おはようございます。

 本日ここに、令和4年第3回柳川市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には公私ともご多用のところご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。

 はじめに、新型コロナウイルスへの対応について申し上げます。新型コロナウイルスは、デルタ株から感染力の強いオミクロン株にほぼ置き換わり、これまでに経験したことのない速さで陽性者が増加しています。低年齢層にも広がっており、市内でも学級閉鎖や保育園の休園など、保護者、医療への負担も高まっております。

 本市でも感染拡大を防ぐべく、急きょ医師会の先生方にお願いし、当初の予定を早めて3回目のワクチン接種を2月1日から開始しました。

 また、福岡県市長会を通じて、県に要望していた3回目接種の「新型コロナウイルスワクチン広域接種センター」の県南地域への設置についても、2月9日、みやま市の保健医療経営大学に設置されました。今後も、希望される方が、スムーズに3回目のワクチン接種を受けられるよう、あらゆる努力をしてまいります。

 さて、本定例会は、令和4年度の当初予算を始めとする重要な議案のご審議をお願いするものでございます。議案の説明に先立ちまして、令和4年度の市政運営に臨む私の所信の一端を申し上げ、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

 いよいよ明日、みやま市と共同で整備した新ごみ焼却施設「有明ひまわりセンター」が本格稼働します。この建設費約121億円のうち、国の補助金などを除いた約85億円は、両市で負担することになりますが、この負担割合は、今年3月からの1年間で両市から出される可燃ごみの割合で決まります。

 柳川市から出る可燃ごみの量が減れば、負担金も減少します。市民の皆様のご協力により、柳川市の可燃ごみの量は対前年比で約9%減少しているところですが、引き続き、ご協力をお願いします。

 昨年8月11日から1週間降り続いた雨は、降水量870mmを記録しました。これは平年の年間降水量の2分の1に相当する量です。本市では、上流自治体とも連携して、先行排水を実施し、さらには、排水機場の管理人の皆様の懸命な努力によって、近隣自治体に比べ被害を抑えることができましたが、田畑や水路、道路には、つめ痕が残りました。

 いつどこで起こるか分からないのが災害です。今後も、排水機能の強化や情報発信の充実など、災害に強いまちづくりに取り組んでまいります。

 それでは、第2次柳川市総合計画の将来像に合わせ、私の施策の一端を述べさせていただきます。

 

 

「若い世代の希望を叶え、柳川の子育て、暮らしに幸せを感じるひとづくり」

  まず1点目の政策目標、「若い世代の希望を叶え、柳川の子育て、暮らしに幸せを感じるひとづくり」の主な取組みについて申し上げます。
 最初に、4月にオープンする地域子育て支援拠点施設「このゆびとまれ」についてです。新たな施設では、「はぐくみ つながり 笑顔がいっぱい」をコンセプトに、妊娠、出産、子育て期を通じ、切れ目のない支援の充実に取り組むとともに、子どもがワクワクして遊べる空間、そして親子が安心して過ごせる場を提供します。

 近年、子どもの発達が気になり、子育ての不安や負担感で悩む保護者が増加しています。このため、子どもと保護者が安心して生活できるよう、発達障がいの早期発見、一人ひとりに合った発達支援、保護者への育児支援等を行ってまいります。

 保育士の確保も喫緊の課題です。共働き家庭の増加により、保育所の利用は増加していますが、市内の保育所では、面積基準は満たしているものの、保育士不足のため児童を受け入れられない状況が生じています。このため、保育士の処遇改善やICT化による業務負担軽減に取り組み、保育士の安定的な確保を図ってまいります。

 また、子育て世代からは、「子連れでも出かけやすく、快適に、楽しむことができる公園」を求める声が多く寄せられており、遊具、トイレ、駐車場などの設備が充実した公園の整備が急務であると考えています。このため、その第一弾として、むつごろうランドに大型遊具を整備することとしております。その中には、障がいのある子もない子も一緒に遊べる「インクルーシブ遊具」も設置したいと考えています。

 小中学校の再編については、先日、議会に再編案を報告したところですが、今後、小学校区ごとにPTAや地域住民を対象とした説明会を開催し、パブリックコメントの手続を経て、令和4年度に学校再編計画を決定したいと考えております。

 未来の子どもたちのために、より良い教育環境を整備していくことが重要です。市民への情報提供を丁寧に行い、共通理解を図りながら、学校再編を進めてまいります。

 

「水郷柳川の風情や快適さに共感し人を惹きつけるまちづくり」 

2点目の政策目標、「水郷柳川の風情や快適さに共感し人を惹きつけるまちづくり」の主な取組みについて申し上げます。

 コロナ禍で入込客数や宿泊客数、消費額が減少するなど、市内の観光業は大きな打撃を受けています。一方で、令和6年度には西鉄柳川駅西口に掘割を引き込み、沖端にも共同乗下船場を設置することとしており、今、大きな転機を迎えています。

 このため、貴重な地域資源である掘割を見つめ直し、その価値を再確認することで柳川観光の魅力を高めることを目的に、昨年、「掘割と観光の共生のあり方検討委員会」を設置しました。委員には、学識者、市民団体、川下り事業者のほか、国、県などの関係者にも就任いただいています。市内外の知見を結集し、掘割を活用した持続可能な観光のあり方を検討してまいります。

 本市を犯罪のない「安全で安心で暮らせるまち」にしていくことも重要です。犯罪を未然に防止するため、小中学校、柳川駅前周辺、駐輪場等に防犯カメラを設置してきたところですが、令和4年度は、市役所柳川庁舎へ設置するとともに、行政区等が設置する防犯カメラへの補助制度を創設します。今後も、安全安心のまちづくりをこれまで以上に推進していきます。

 行政のデジタル化が喫緊の課題となる中、その基盤となるマイナンバーカードの普及拡大の重要性はますます高まっています。

 マイナンバーカードは、健康保険証として利用できる医療機関、薬局の数が市内でも増加するなど、利便性も向上しています。市民の皆様へマイナンバーカードの利便性や安全性、国が実施するマイナポイント事業の情報提供を行うとともに、出張申請窓口を開設するなど、マイナンバーカードの普及促進に取り組んでまいります。

 令和3年度に施行された新しい過疎法(過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法)で旧大和町が一部過疎として指定されましたが、令和2年の国勢調査の結果により、令和4年4月1日から旧柳川市も一部過疎地域として新たに追加される見込みとなりました。

 このため、今年度策定した「過疎地域持続的発展市町村計画」の変更の準備を行っているところです。一部過疎の財政支援措置を効果的に活用して、一部過疎地域はもちろんのこと、市全体の持続的発展に活かしていきたいと考えています。

 

「柳川の歴史・文化・風土に誇りと愛着を持つふるさとづくり」

3点目の政策目標、「柳川の歴史・文化・風土に誇りと愛着を持つふるさとづくり」の主な取組みについて申し上げます。

 初代柳川藩主「立花宗茂」と妻「誾千代」を主人公としたNHK大河ドラマの招致活動についてです。1月に発表された第166回直木賞受賞作に、宗茂公も登場する、今村翔吾さんの「塞王の楯」が選ばれたという嬉しいニュースがありました。この本をきっかけに、宗茂公の人気、知名度が更に向上し、招致実現につながることを期待しています。

 招致活動は6年目を迎えました。引き続き、福岡県や縁のある自治体などと協力し、招致活動を粘り強く行ってまいります。

 安東省菴顕彰会が、「市民協働のまちづくり事業補助金」を活用して、省菴の生涯をまとめた冊子「柳川・学問の祖 安東省菴」を作成し、寄贈いただきました。

 今年は、安東省菴の生誕400年目の年に当たります。この冊子を手に取っていただき、郷土が生んだ安東省菴の偉大な業績を学んでいただきたいと思っています。

 開館2年目を迎えた市民文化会館「水都やながわ」では、様々なイベントが開催され、文化芸術に触れる場として、多くの方々にご利用いただいております。特に、高い音響効果を持つ大ホール「白秋ホール」は好評で、演奏を聴きに来られた観客の皆様はもちろん、プロの演奏家の方々からも高い評価を頂いています。

 また、「水上に浮かぶ柳川の舞台」をコンセプトとした設計が高く評価され、「福岡県美しいまちづくり建築賞」の大賞受賞も決定したところです。

 令和4年度には、この市民文化会館を文化芸術の拠点とした「柳川市文化芸術推進基本計画」を策定することとしています。柳川らしさを重視した文化芸術の振興、障がいのある方の文化芸術活動の推進などについても、この計画に盛り込むこととしています。

 新型コロナウイルスの感染拡大で図書館の利用が制限された場合でも、パソコンやタブレット等で本を借りることができる「電子図書館」の需要が高まっています。このため、令和4年度から有明圏域定住自立圏の取組みとして、「電子図書館」を運営することとなりました。「新しい生活様式」にも合ったサービスを幅広い世代の方々に利用していただきたいと考えています。

 

「柳川の地域資源や産物を誇れるしごとづくり」

4点目の政策目標、「柳川の地域資源や産物を誇れるしごとづくり」の主な取組みについて申し上げます。
 農漁業は、柳川の基幹産業です。農漁業の振興を図るため、新規作物の開発、農産物特産品づくり、柳川産海苔のブランド化などに引き続き取り組んでまいります。

また、柳川の豊かな農地と有明海は、農業と漁業を支える基盤でありますので、国や県の補助を最大限活用しながら、基盤整備事業に取り組んでまいります。

 柳川の魅力ある農水産物を全国の消費者へ発信することも大変重要です。昨年末から、市内の運送会社の協力により、柳川で採れる野菜のナス、オクラ、トマト、アスパラガスを描いたラッピングトラックが運行されております。

 コロナ禍においては、市場や消費地へ出向き、市場関係者や消費者に直接PRを行うことが困難な状況ですが、今後も、様々な機会を捉えて、柳川の農水産物のPRに努めてまいります。

 新型コロナウイルス感染拡大により、市内の観光業、宿泊業は深刻な影響を受けており、観光需要の回復を図る必要があります。感染防止対策を徹底し、安全で安心して利用できる観光施設等の情報発信を行うとともに、滞在時間の延長、地域の消費拡大につなげるため、柳川観光V字回復キャンペーン事業、柳川宿泊応援キャンペーン事業に取り組んでまいります。

 

 


  以上、意を尽くしませんが、市政運営に関する私の所信の一端を申し述べさせていただきました。
 私の使命は、柳川のもつ魅力をさらに高め、住み続けたいまちにして、未来を担う次世代につないでいくことです。
 今後とも、どうか議員の皆様並びに市民の皆様の一層のご理解とご協力をお願い申し上げまして、所信表明とさせていただきます。

 

 

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