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令和6年度所信表明

2024年3月15日

 

令和6年2月26日、金子健次市長が、令和6年第1回柳川市議会定例会で、令和6年度の所信表明を述べましたので紹介します。

 

 皆さん、おはようございます。

 本日ここに、令和6年第2回柳川市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には公私ともご多用のところご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。

 はじめに、1月18日と2月6日に、本市消防職員が道路交通法違反(酒気帯び運転)の容疑で逮捕されたことについて、市民の皆様に対し、深くお詫びを申し上げます。飲酒運転撲滅は社会全体の要請であり、市民の模範となるべき市職員が飲酒運転をしたことは決して許されるべきものではありません。事実関係を確認したうえで、厳正に対処して参るとともに、今後、このようなことが二度と起こらないように、全職員に対し、改めて服務規律の徹底を図り、一日も早い信頼回復に努めて参ります。

 1月1日に発生しました令和6年能登半島地震におきまして、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。本市としても、被災地域の1日も早い復旧を支援するため、石川県穴水町への職員派遣を行うこととしました。今後も、被災地の早期復興に協力してまいります。

 さて、本定例会は、令和6年度の当初予算をはじめとする重要な議案のご審議をお願いするものでございます。議案の説明に先立ちまして、令和6年度の市政運営に臨む私の所信の一端を申し上げ、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

 4期目の重点施策として掲げた子育て支援については、地域子育て支援拠点施設「このゆびとまれ」の整備に続き、昨年4月、むつごろうランドに待望の大型複合遊具が完成しました。週末を中心に、市内外からの多くの親子連れなどで大変なにぎわいを見みせており、本市に新しい名所が誕生したことを嬉しく思っています。

 また、小中学校再編については、再編する学校ごとに教職員や保護者、地域住民による再編協議会を設置し、協議を進めることとしており、再編する学校の中で最も早く大和町地区に開校する小学校の名前が「やまと小学校」に決定しました。今後も、学校教育をより充実させ、子どもたちのより良い教育環境を整備するため、学校再編を進めてまいります。

 それでは、第2次柳川市総合計画の将来像に合わせ、私の施策の一端を述べさせていただきます。
 

「若い世代の希望を叶え、柳川の子育て、暮らしに幸せを感じるひとづくり」

 まず1点目の政策目標、「若い世代の希望を叶え、柳川の子育て、暮らしに幸せを感じるひとづくり」の主な取組みについて申し上げます。
 柳川市での子育てを応援するため、出産、小学校入学、中学校入学の各節目において応援金を給付する「やながわ子ども・子育て応援金」を令和5年度に創設しました。安心して子どもを生み育てることができる環境づくりを更に進めるため、令和6年度は、子ども医療費の助成制度を拡充します。未就学児までの通院・入院と、小中学生の入院にかかる自己負担額を無料化し、小中学生の通院にかかる自己負担額も月額500円までに引き下げたいと考えています。こうした経済的支援を行うことで、子育て環境の充実を図ってまいります。

 子ども連れでも出かけやすく、快適に、楽しむことができる公園の整備も進めます。これまで、むつごろうランドの大型遊具、柳城児童公園のインクルーシブ遊具の整備を進めてきました。また、子育て世代からの要望が強いトイレの整備として、令和5年度、6年度で立花いこいの森公園のトイレ建替えを進めています。今後も、子どもが楽しく、安心して遊べる公園整備を図っていきたいと考えております。

 地域子育て支援拠点施設「このゆびとまれ」は、令和4年4月のオープン以降、多くの子育て世代にご利用いただき、利用者は今年の1月で延べ3万人を突破しました。子育ての悩みを助産師に相談できる「助産師相談」をはじめ、さまざまなセミナーやイベントを実施しています。また、プレイルームは、幼児を連れたお父さんやお母さんが子どもたちと一緒に遊んだり、親同士で子育ての話をするなど、情報交換の場にもなっています。引き続き、育児不安の解消を図るとともに、子どもがワクワクして遊べる空間、そして親子が安心して過ごせる場を提供していきます。

 近年、保護者や地域から学校に寄せられる相談は多様化、複雑化しており、学校だけでは解決できない事案が増加しています。このため、教育委員会内に筑後地域で初となる「学校教育支援センター」を設置することとしました。同センターには、学校心理士、警察官OB等の専門性を持ったスタッフを配置し、保護者からの相談対応、課題解決に向けた学校への助言などにあたることとしています。これにより、先生たちはより授業に専念できるとともに、業務負担が軽減され、教職員の働き方改革にもつながるものと期待されます。

 

「水郷柳川の風情や快適さに共感し人を惹きつけるまちづくり」

 2点目の政策目標、「水郷柳川の風情や快適さに共感し人を惹きつけるまちづくり」の主な取組みについて申し上げます。

 水郷柳川のシンボルである掘割を二ツ川から西鉄柳川駅前まで引き込む工事が着実に進捗しており、1年後には完成する予定です。これに連動して、駅西口周辺のにぎわいづくりと街並み形成を進めていきたいと考えています。地元商店会、商工会、地権者、住民等の関係者と連携して市民ワークショップ等を開催し、水郷柳川らしい、にぎわいのある空間づくりを進めていきたいと考えております。

 デジタル技術を活用し、業務の効率化や行政サービスの向上を目指すDXの推進も重要です。1月末現在で、本市のマイナンバーカード交付率は76.26%と大きく向上しました。マイナンバーカードを利用したコンビニや市役所3庁舎での自動交付機による住民票の写し、納税証明書等の交付は、手数料を100円に値下げした効果もあり、住民票は全発行数の62%が、印鑑証明は68%が自動交付機で取得されるなど、利用が増加しています。一方、デジタルが苦手な方には、窓口で、市民に寄り添った丁寧な対応を続けていきます。今後も、デジタル的「効率化」とアナログ的「おもてなし」の充実を図りながら、DXを推進してまいります。

 安全、安心のまちづくりには、災害を予防するためのハード整備も必要です。近年の異常気象により多発する豪雨被害の軽減を図るため、二丁樋と志賀開に排水ポンプを設置します。また、線状降水帯による非常に激しい雨が降り続いた場合は、従来の排水計画基準で造成された施設の能力では追いつかない状況が懸念されていることから、国・県と連携して、国・県営施設の排水解析調査を継続していきます。

 

「柳川の歴史・文化・風土に誇りと愛着を持つふるさとづくり」

 3点目の政策目標、「柳川の歴史・文化・風土に誇りと愛着を持つふるさとづくり」の主な取組みについて申し上げます。

 初代柳川藩主「立花宗茂」と妻「誾千代」を主人公としたNHK大河ドラマの招致活動についてです。1月に、宗茂公の重臣であった小野鎮幸の子孫の方から、「NHK大河ドラマの招致活動に役立てていただきたい。」との思いを添えて、宗茂公の肖像画と小野鎮幸が描かれた木製衝立を市に寄贈いただきました。大変貴重な史料の寄贈を嬉しく思うとともに、この史料を実際にご覧になられた方々が柳川の歴史に興味を持っていただくことを期待しています。引き続き、大河ドラマの招致に向け、福岡県や縁のある自治体などと協力し、招致活動を粘り強く行ってまいります。

 市民文化会館「水都やながわ」は、令和2年12月の開館以来、様々なイベントが開催され、利用者が延べ30万人を突破しました。大ホールは、柳川が生んだ偉大な詩人・北原白秋にちなんで、「白秋ホール」と名付けていますが、来年1月には北原白秋生誕140年を迎えます。時代を越えて愛され続ける白秋先生の作品と同じように、市民文化会館が末永く市民に愛され続ける施設となるよう、市民が集う場、文化芸術に触れる場として、広く活用していきたいと考えています。
 

「柳川の地域資源や産物を誇れるしごとづくり」

 4点目の政策目標、「柳川の地域資源や産物を誇れるしごとづくり」の主な取組みについて申し上げます。

 農漁業は、柳川の基幹産業です。農漁業の振興を図るため、新規作物の開発、付加価値を高めるための農産物特産品づくり、柳川産海苔のブランド化などに引き続き取り組んでまいります。また、柳川の豊かな農地と有明海は、農業と漁業を支える基盤でありますので、国や県の補助を最大限活用しながら、基盤整備事業に取り組んでまいります。

 令和5年は、ナスやイチゴなどの園芸作物が過去最高となる31億円の売上を記録しました。引き続き、ハウス施設等の補助を行うなど園芸作物への支援を図るとともに、収益性の高い新たな農産物の調査研究も推進していきます。

 柳川の魅力ある農水産物を全国の消費者へ発信することも大変重要です。2月2日、米どころの新潟県南魚沼市や海苔の産地である本市など、おにぎりに関連のある食材の産地、7自治体の首長が東京に集結し、第1回「おにぎりサミット」が開催されました。各自治体が持ち寄った自慢の食材を組み合わせて作った「究極のおにぎり」を発表するなど、イベントも大成功を収めました。この「おにぎりサミット」を通して、本市の誇る、香り豊かで、歯切れと口溶けのよい有明海苔の魅力を全国にPRすることができました。今後も、様々な機会を捉えて、柳川の農水産物のPRに努めてまいります。

 また、新型コロナウイルス感染症拡大により深刻な影響を受けた市内の観光業、宿泊業は回復傾向にはあるものの、引き続き、観光需要の回復を図っていく必要があります。JRグループと地域が連携して集中的な宣伝を行い、全国からの誘客を図る国内最大規模の観光プロモーション「福岡・大分デスティネーション・キャンペーン」が4月から6月まで開催されます。このキャンペーンを契機として、国、県等とも連携を図りながら、着地型観光の充実、滞在力強化、観光消費額増加等の課題解決に取り組んでまいります。

 さらに、物価高の影響を受けた市民生活を支援するとともに、地域経済の活性化を図るため、引き続き、プレミアム商品券の発行を支援してまいります。
 

 


 以上、意を尽くしませんが、市政運営に関する私の所信の一端を申し述べさせていただきました。

 今年7月に新しい日本銀行券が発行されます。この機会に新5千円札の裏面に描かれる「野田の藤」にあやかって、その子孫にあたる「中山の大藤」の見事さを更にPRしていきたいと考えています。
 1年後には西鉄柳川駅西口の景観が大きく変わり、柳川の魅力が益々高まるものと確信しています。
 私の使命は、柳川のもつ魅力をさらに高め、住み続けたいまちにして、未来を担う次世代つないでいくことです。
 今後とも、どうか議員の皆様並びに市民の皆様の一層のご理解とご協力をお願い申し上げまして、所信表明とさせていただきます。

 

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