みなさん、こんにちは。
地域おこし協力隊の阿部です。
先日、愛知県岡崎市で「まちゼミ」の研修に参加してきました。
「まちゼミ」とは、商店街のお店の人が講師となって、
プロならではの知識や情報、コツなどを受講者であるお客さんに
無料(材料費は別)でお伝えする少人数ゼミです。
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
「岡崎まちゼミの会」(外部サイトへリンク)
1泊2日の研修でしたが、とてもそれでは足りないほど濃い内容の研修。
座学でも、講師の方の熱意がひしひしと伝わってきて、こちらも熱くなります。
「まちゼミ」の特徴は
「無料でプロの知識が得られてお客さんによい」
「売り上げアップにつながってお店によい」
「商店街ににぎわいが戻って街によい」の
「三方よし」ということ。
とりたててマイナス要因はないのに売り上げが上がり、街が元気になっていき、
お客さんにも喜んでいただけるということで、今では全国で180近くの商店街が導入しています。
ここ福岡県でも、飯塚、若松、小倉魚町、久留米、平尾の5つの商店街で開催されています。
実際に「まちゼミ」に参加している店舗の方から直接話をうかがいます。
こちらは眼鏡店ですが、他店とのコラボという面白い形でも講座を開いています。
たとえば、洋品店さんと組んで、ファッションと眼鏡のコーディネートを学んだり、
補聴器店さんと組んで「聞こえと見え方の入門講座」を開いたり。
こちらは時計&貴金属店。
手作りブレスレットを作るワークショップを開いたり、
オリジナル時計を作ったりなどの講座でとても人気だそうです。
「まちゼミ」では販売をしないのが鉄則です。
しかし、一度店内に入ったことがあると、何かの折にその店を思い出し、
顧客となっていくという流れが生まれます。
眼鏡にしても時計にしても、すぐに購入するというものではありませんが、
記念日に購入したりとか、日常の修理などで訪れたりなどということも大きなプラスです。
こちらの薬局を訪問したときは、まさに「まちゼミ」の開催中!
3名の女性の受講者に、店主さんがダイエットのコツを伝授していました。
「健康」「美容」というのは、まちゼミの中でも大人気のカテゴリーだそうです。
こちらはとても立派な文房具店なのですが、
実はここ、もう閉店しようと決めていたお店です。
店主さんが高齢で、売り上げも少ないため、そろそろお店をたたもうとしていたときに、
「まちゼミ」に参加することで、お店に活気が戻りました。
結果的にお子さんも都会から戻って後を継ぎ、なんと店舗を新築しました。
ここの万年筆売場は圧巻です。東京の専門店でもかなわないのではと思うほど。
このように「まちゼミ」はとても効果のある取り組みですが、
最初はなかなか結果に結びつかないとのこと。
補聴器店の方の話では、最初の2年間はまったく売り上げに結びつかなかったそうです。
それが今となっては、年間で300万円ほどの売り上げを上げるようになりました。
「まちゼミ」を成功させる秘訣、それは「あきらめずに続ける」こと。
上の方で、「まちゼミ」では販売をしないと書きましたが、
実は唯一しっかりと売っているものがあります。
それは「店主の人柄」です。
物によってつながったお客さんは簡単に離れていきます。
安さにひかれたお客さんは、より安いお店に簡単に移っていきます。
しかし、人でつながった場合はどうでしょうか?
こちらは簡単に離れていくことにはなりません。
実際に、化粧品店では、まったく値引きもせず、定価販売をしているのにお客さんがやって来ます。
安さで勝負すればドラッグストアやネットショップに負けます。
品揃えを考えても、同じことが言えます。
個店が生き残っていくためには、しっかりと「人」を売る必要がある。
それを可能にするのが「まちゼミ」なのです。
私はこの研修を受けて自信がつきました。
なぜなら、柳川の商店街には、素晴らしい「人」があふれているではないですか。
ぜひ「まちゼミ」を導入して、みなさんの良さを売ってほしいと願っています。
「まちゼミ」のことなど、もっと知りたいという方は、
どうぞお気軽に下記までご連絡ください。
柳川市地域おこし協力隊 阿部昭彦
E mail 40207-nou-tok@city.yanagawa.lg.jp