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部課長の1分間スピーチ

幸せな出会い

江島

 皆さん、こんにちは。柳川古文書館館長の江島香と申します。よろしくお願いします。柳川古文書館は、福岡県が設置して柳川市が管理運営をしている施設です。川下りの途中にある白壁土蔵造りの建物であることから、開館当初は造り酒屋ではないか、と思われたこともあったそうです。ただ、現在は逆に建物の印象もあいまって、入りにくいと思われることもあるようです。
 柳川古文書館では、古文書解読講座や、企画展といった催しのほか、企画展の関連として講座や講演会を開催しています。また、こうしたイベント以外にも、柳川古文書館の閲覧室で実物の古文書を閲覧することができます。
 前回のブログでも企画展についてお知らせしましたが、今年度の企画展は10月2日(水)から始まる「田中富美男写真展」と、12月4日(水)から始まる「柳河藩ゆかりの甲冑」展です。前者では、朝倉市のアマチュア写真家田中富美男さんが、昭和30年頃を中心に撮影した写真を展示します。撮影された地域は主に朝倉地域で、柳川市と直接関係があるわけではありません。しかし、高度成長期以前の人々の生活の様子が写されていて、朝倉地域以外の人々にとっても、大変懐かしく感じられる写真であることは間違いありません。また、この企画展は、九州歴史資料館の分館である求菩提資料館(豊前市)・甘木歴史資料館(朝倉市)・柳川古文書館の三館が、初めて協同で企画したものです。これら三分館は、ぞれぞれが取り扱っているテーマが異なっていることから、協同で事業を実施したことはありませんでした。しかし今回、昨年度当館で開催した「野田演吉写真展」をきっかけに、三分館合同で事業を実施しようという気運が高まり、今年度の企画展の実施につながりました。当館は開館してまもなく40年を迎えようとしていますが、初めてこうした合同の事業を実施することができたことは大変感慨深いものがあります。
 次に2つ目の企画展ですが、当館は「古文書館」ではありますが、市内に公共の史料保存機関がないため、刀剣や甲冑といった道具類も預かっています。そうしたものの中から、これまでまとめて展示することがなかった甲冑を取り上げて、展示するものです。この企画も、(財)立花財団立花家史料館のご協力なくては、実現が難しかったものです。
 柳川古文書館の学芸員は市史編さん業務を兼務していて、事業の中でさまざまな美術品に出会います。私たちは美術品の専門ではないので、その場合は専門的な立場の方に調査をお願いするのですが、多くの場合立花家史料館に依頼することになります。もとより、立花家史料館の所蔵する美術品と、当館が預かっている立花家関係の史料は同じ柳河藩主立花家に伝来したものであり、お互いの協力があってさまざまな史料の調査や分析が進んでいくのです。
 私は柳川古文書館で仕事をするようになって、すでに30年が経過しました。その中で、こうした多くの方々、そして多くの史料との出会いがありました。自分がなしえた仕事はわずかなものですが、そうした時間のなかで、共感し合い、そして協力しあえる方々と出会えたことは、本当に幸せなことだったと思います。実は昨日講師の一部を務めさせていただいた立花家史料館オンラインLIVEツアー「柳川藩の明治維新-最後の藩主立花鑑寛が見た歴史の転換点-」でも、大変幸せな出会いがありました。皆さんも、ぜひ当館に来館され、またイベントにお気軽に参加していただいて、史料との、そして知られざる歴史との幸せな出会いを体験してください。

 

1(古文書館).jpg

2(古文書館).jpg

田中富美男氏撮影

甲冑.jpg

由布家甲冑

 


 

次回の部課長ブログは消防本部総務課長です。

前回の部課長ブログ(上下水道課長)はこちら

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