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部課長の1分間スピーチ

企画展で柳川の歴史に触れてみませんか

江島

柳川古文書館館長の江島香と申します。よろしくお願いします。


柳川古文書館では、年度に2回企画展を開催しています。当館の展示室はそれほど広くないので、展示を見る目的で来館される人の中には、たまに「見るところはこれだけですか?」とおっしゃる人もいらっしゃいます。確かに他の博物館に比べると展示室が狭いのは残念なことです。ただ、当館の学芸員は、館の管理・運営とともに、柳川市史編さんの事業も担当していて、展示はそうした活動の成果を知っていただく重要な機会であるため、学芸員が交替で展示も担当し、市民の皆さんに柳川の歴史や文化を分かりやすくお見せすることを心がけています。


今年度の企画展は、4月から12月までロングランで開催してきた「野田演吉写真展」と、12月6日(水)から始まる「有明海と柳川の缶詰史」の2つです。
「野田演吉写真展」は、戦後教師としての仕事のかたわら、アマチュアの写真家として沖端を中心に撮影された野田演吉さんの写真を展示するものです。遺されたネガフィルムは約2万8000点で、これを当館スタッフの中村学芸員が1点1点スキャンして整理しました。その中から、企画展の担当となった白石学芸員が120点を選び出し、プロのプリンターでもある橋本文夫さんにお願いしてプリントしてもらって実現しました。この膨大なフィルムは、野田さんのご遺族から快く柳川古文書館に寄贈していただきました。

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企画展「野田演吉写真展」の様子



「有明海と柳川の缶詰史」は中川学芸員が担当しています。柳川の缶詰産業については、明治14年に創業した興産義社があり、その名前はすでに知られていましたが、缶詰産業の全体像については、まとまった史料がなかったため、不明なままでした。しかし数年前に西海缶詰殖産株式会社を経営されていた中村裕彦さんから、同社の史料を一括して寄贈していただき、その整理を中川学芸員が担当して目録を作成したことにより、今回の企画展が実現する運びとなりました。

市史抄片_令和5年12月号_画像(差替).jpg

企画展「有明海と柳川の缶詰史」のポスター



私たちが担当している仕事は、1つの年度で完結するわけではなく、何年もかけて1つのプロジェクトを完成させていきます。そしてその1つ1つのプロジェクトによって得られた知識が、また次の仕事に役立っていくことになるわけなのですが、いずれにせよ、毎日毎日が地道な作業の繰り返しで、そうした繰り返しがいずれ展示や自治体史の内容に反映されていくことになるのです。


私たちが仕事の中で本当にうれしく感じるのは、こうした地道な作業を理解していただき、「お役に立つのであれば」と史料を提供してくださる人がいらっしゃるとき。そして利用者の皆さんから応援のメッセージをいただいたときです。ぜひ企画展に足を運んでいただいて、もしかしたら知らなかったかもしれない柳川の歴史に触れてみてください。


 

次回の部課長ブログは上下水道課長です。

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