毎日暑い日が続いています。皆さんお元気ですか。
今年4月に柳川市消防本部消防長に着任した田島です。
この頃、吉田松陰の「親思う心に勝る親心今日の訪れ何と聞くらん」の歌が心に浮かびます。
これは、「親をいたわる子の心よりも、親が子を慈しむ心のほうが、より深いものですよ」ということを詠んだものです。
私の父は昨年7月、農作業の事故が元で亡くなりました。それは、田んぼで畔の草を焼いているうちに風の勢いで自分の衣服に火が燃え移り、全身に大やけどを負ったものでした。
田んぼを転げまわって自分で火を消し、車を運転して自宅に戻った父から「火傷したけん病院に連れて行ってくれ」と電話がかかってきたので、私は急いで駆けつけ、生まれて初めて「119」通報をしました。
救急車を要請して待つ時間がすごく長く感じられたこと、家への救急車の誘導、父の状況を診てドクターヘリを要請する救急救命士の判断・応急処置を間近で見たこと、ヘリの到着を待つ不安な気持ち、大学病院救命センター医師との会話など、初めて経験するものばかりでした。
父は無念だったかもしれませんが、私に最後の親心をかけてくれたのかもしれないと消防本部に異動した今思います。
私は市役所からの出向職員であり、消防吏員からの登用ではないため、消防業務に対する知識・経験が足りません。
東京の調布市にある消防大学校には、消防吏員として消防業務に従事した経験のない新任の消防長・消防学校長に対し、その職に必要な知識及び能力を総合的に修得させることを目的に、「新任消防長・学校長科」が設置してあります。私もここで5月14日(火)~24日(金)の11日間に及ぶ全寮制での集合研修を受けてきました。
研修では、消防庁長官による講話を始め、消防庁幹部による最新の消防行政の動向に関する講義、各人が抱える課題などについての討議、及び消防人として必須である消防訓練礼式などを受講し、消防組織のトップの職責を認識するとともに消防職の心構えについて学びました。
また、実科では実火災体験型訓練の見学や、防火衣及び空気呼吸器の着装を行い、過酷な環境での現場活動の実態を体験しました。さらに、大規模地震時における常備消防と消防団との連携を想定した指揮シミュレーション訓練では、指揮者の状況判断の難しさや、各機関との連携の重要性について理解を深めるとともに、改めて消防職員の任務の重み、期待度の大きさを痛感したところです。
消防大学校での研修
柳川消防署でも、大規模災害を想定した指揮訓練、救命講習の実施、炎天下での車両点検や、汗を打ちかぶりながらの救出訓練などに日々励み、市民の皆さんの要請に何時でも応えられるように準備を整えています。
消防署での業務や訓練の様子
只今職員採用試験の願書受付中(8月16日まで)です。
大変な仕事と思われるかもしれませんが、私たちと一緒に汗を流してみませんか。
希望する人はこちらから応募してください。
今年は初盆。父の大好きだったスイカとサイダーを供え、家族みんなで迎えたいと思います。
次回の部課長ブログは建設課長です。