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部課長の1分間スピーチ

伝えていくこと

皆さん、こんにちは。
柳川古文書館館長の江島香です。
柳川市で学芸員として採用されたのは平成5年4月で、それからすでに32年が経過しました。
自分では、入庁時からさほど時間が経過したという自覚はないのですが、当時はまだ女性職員がお茶くみをするとか、早く来て机を拭くとか、そうした事が当たり前だったことを考えると、確かに隔世の感はあります。
世間的には「常識」だったことが、時代が移り変わり、人々の意識も変わっていくと、「常識」と思われていたことも、そうではなくなっていくのですね。

今年は昭和100年という記念の年です。柳川市史編さん事業では、今年度そうした時代に焦点を当てた、たくさんの写真を収録した本を刊行する予定です。
その本の編集作業の過程で、柳川の町や、そこに住んでいた人々の暮らしの移り変わりを目の当たりにしています。
もちろん、堀割の形など、江戸時代とそれほど大きく変わってはいないものもありますが、なにせ写真を撮るということは昭和30年ぐらいまでは一般的ではなかったのですから、写真を撮るという行為自体も、今では大きく変わっています。多くの方々にご協力をいただくことができて、私たちの仕事は成り立っていますし、今回刊行することになる本もたくさんの方々から快く写真を貸していただいたり、お話を聞くことができた結果、刊行することができるのです。まずはこの場を借りて御礼を申し上げます。
今回刊行することになる本に収録されている写真で、最も古いものは150年ほど前のもの、また新しいものは昭和40年頃のものです。これらを御覧いただくと、ご年配の人は懐かしいと思われる場合が多いでしょう。また、若い世代の人は、どちらかというと驚きをもって眺めるかもしれません。これらの写真をいろいろな世代の方々に、いろいろな角度から見てもらうことによって、それぞれの思いを語り合ってもらう、というのが本書刊行の目的の一つです。世代や住んでいる空間を超えて、自分や数代前の祖先が生きてきた時代のあり方を確認し、次の世代の人々に語り継いでもらいたいのです。
写真1は、今から90年ほど前、昭和11年~13年頃の京町の様子です。通りの突き当たりに建物が見えますが、ここが現在の辻町交差点です。ここを突き抜けて道路が西に通るのは昭和25年のことです。

古雅書店購入(2016年2月)006.jpg
写真1 昭和11年~13年頃の京町

写真2は、写真1とほぼ同じ位置から昨年撮影した京町商店街の様子です。

DSC03234.JPG
写真2 昨年撮影した京町商店街

今年は戦後80年という、もう一つの節目の年でもあります。ニュースでは度々戦争体験の実話とともに、語り部が少なくなっていくという現状の中で、次の世代へどのようにつないでいくのかが課題として話題にされています。「私」や「私たち」が見聞きしたり、普通に生活の中で実践していることは当たり前のことのようで、実はそうではないかも知れません。「いまどきの若いもんは」という台詞はひとまず脇に置いて、個人個人の体験や知識を、次の世代に伝えていくことは、とても大切なことではないでしょうか。

次回の部課長ブログは市民課長です。

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