○柳川市準用河川に係る河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例
平成25年3月25日
条例第7号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 床止め(第3条―第6条)
第3章 水門及び樋門(第7条―第18条)
第4章 橋(第19条―第27条)
第5章 雑則(第28条―第31条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この条例は、河川法(昭和39年法律第167号。以下「法」という。)第100条第1項において準用する法第13条第2項の規定に基づき、市長が管理する準用河川(法第100条第1項に規定する準用河川をいう。以下単に「河川」という。)に係る河川管理施設(法第3条第2項に規定する河川管理施設をいう。以下同じ。)又は法第26条第1項の許可を受けて設置される工作物(以下「許可工作物」という。)のうち、床止めその他の主要なものの構造について河川管理上必要とされる技術的基準を定めるものとする。
(用語の定義)
第2条 この条例において使用する用語は、河川管理施設等構造令(昭和51年政令第199号)において使用する用語の例による。
第2章 床止め
(構造の原則)
第3条 床止めは、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 床止めは、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。
(護床工及び高水敷保護工)
第4条 床止めを設ける場合において、これを接続する河床又は高水敷の洗掘を防止するため必要があるときは、適当な護床工又は高水敷保護工を設けるものとする。
(護岸)
第5条 床止めを設ける場合においては、流水の変化に伴う河岸の洗掘を防止するため、規則で定めるところにより、護岸を設けるものとする。
(魚道)
第6条 床止めを設ける場合において、魚類の遡上等を妨げないようにするため必要があるときは、規則で定めるところにより、魚道を設けるものとする。
第3章 水門及び樋門
(構造の原則)
第7条 水門及び樋門は、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 水門及び樋門は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに水門又は樋門に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
(構造)
第8条 水門及び樋門(ゲート及び管理施設を除く。)は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
2 樋門は、堆積土砂等の排除に支障のない構造とするものとする。
(断面形)
第9条 河川を横断して設ける水門及び樋門の流水を流下させる部分の断面形は、計画高水流量(舟の通行の用に供する水門にあっては、計画高水流量及び通行すべき舟の規模)を勘案して定めるものとする。
2 前項の規定は、河川以外の水路が河川に合流する箇所において当該水路を横断して設ける水門及び樋門について準用する。
(河川を横断して設ける水門の径間長)
第11条 河川を横断して設ける水門のうち流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する門柱の部分の径間長(隣り合う門柱の中心線間の距離をいう。以下この章において同じ。)は、計画高水流量に応じ、次の表の右欄に掲げる値以上(河川を横断して設ける水門のうち流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する門柱の部分の全長(両端の門柱の中心線間の距離をいう。次項において同じ。)が、計画高水流量に応じ、同欄に掲げる値未満である場合には、その全長の値)とするものとする。ただし、山間狭窄部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。
項 | 計画高水流量(単位 1秒間につき立方メートル) | 径間長(単位 メートル) |
1 | 500未満 | 15 |
2 | 500以上 2,000未満 | 20 |
3 | 2,000以上 4,000未満 | 30 |
4 | 4,000以上 | 40 |
(河川を横断して設ける水門の径間長の特例)
第12条 河川を横断して設ける水門のうち流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する門柱の部分の一部を土砂吐き又は舟通しとしての効用を兼ねるものとする場合においては、前条第1項の規定にかかわらず、当該部分の径間長は、計画高水流量に応じ、次の表の第3欄に掲げる値以上とすることができる。この場合においては、河川を横断して設ける水門のうち流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する門柱の部分の径間長の平均値は、同条第2項に該当する河川を横断して設ける水門のうち流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する門柱の部分を除き、同表の第4欄に掲げる値以上でなければならない。
項 | 計画高水流量(単位1秒間につき立方メートル) | 河川を横断して設ける水門のうち流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する門柱の部分のうち土砂吐き又は舟通しとしての効用を兼ねる部分の径間長(単位 メートル) | 河川を横断して設ける水門のうち流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する門柱の部分の径間長の平均値(単位 メートル) |
1 | 500未満 | 12.5 | 15 |
2 | 500以上 2,000未満 | 12.5 | 20 |
3 | 2,000以上 4,000未満 | 15 | 30 |
4 | 4,000以上 | 20 | 40 |
3 河川を横断して設ける樋門で2門以上のゲートを有するものの内法幅は、5メートル以上とするものとする。ただし、内法幅が内法高の2倍以上となるときは、この限りでない。
(ゲート等の構造)
第13条 水門及び樋門のゲートは、確実に開閉し、かつ、必要な水密性を有する構造とするものとする。
2 水門及び樋門のゲートは、鋼構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
3 水門及び樋門のゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。
(水門のゲートの高さ等)
第14条 水門のカーテンウォールの上端の高さ又はカーテンウォールを有しない水門のゲートの閉鎖時における上端の高さは、高潮区間において水門の背後地の状況その他の特別の事情により治水上支障がないと認められるときは、水門の構造、波高等を考慮して、計画高潮位以上の適切な高さとすることができる。
(河川を横断して設ける水門のゲートの高さ)
第15条 河川を横断して設ける水門(流水を分流させる水門を除く。)のカーテンウォールの下端の高さ及び水門の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、計画高水流量に応じ、計画高水位に次の表の右欄に掲げる値を加えた値以上で、高潮区間においては計画高潮位を下回らないものとするものとする。
項 | 計画高水流量(単位 1秒間につき立方メートル) | 計画高水位に加える値(単位 メートル) |
1 | 200未満 | 0.6 |
2 | 200以上 500未満 | 0.8 |
3 | 500以上 2,000未満 | 1 |
4 | 2,000以上 5,000未満 | 1.2 |
5 | 5,000以上 10,000未満 | 1.5 |
6 | 10,000以上 | 2 |
(河川を横断して設ける水門のゲートの高さの特例)
第16条 背水区間に河川を横断して設ける水門のカーテンウォールの下端の高さ及び水門の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、治水上の支障がないと認められるときは、前条の規定にかかわらず、次に掲げる高さのうちいずれか高い方の高さ以上とすることができる。
(1) 当該河川に背水が生じないとした場合に定めるべき計画高水位に、計画高水流量に応じ、前条の表の右欄に掲げる値を加えた高さ
(2) 計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)
(管理施設等)
第17条 水門及び樋門には、必要に応じ、管理橋その他の適当な管理施設を設けるものとする。
2 水門は、規則で定めるところにより、管理用通路としての効用を兼ねる構造とするものとする。
第4章 橋
(河川区域内に設ける橋台及び橋脚の構造の原則)
第19条 河川区域内に設ける橋台及び橋脚は、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 河川区域内に設ける橋台及び橋脚は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに橋台又は橋脚に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
(橋台)
第20条 河岸又は川幅が50メートル以上の河川に設ける橋台は、流下断面内に設けてはならない。ただし、山間狭窄部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。
2 河道内に設ける橋脚の基礎部は、低水路(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る低水路を含む。以下この項において同じ。)及び低水路の河岸の法肩から20メートル以内の高水敷においては低水路の河床の表面から深さ2メートル以上の部分に、その他の高水敷においては高水敷(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る高水敷を含む。以下この項において同じ。)の表面から深さ1メートル以上の部分に設けるものとする。ただし、河床の変動が極めて小さいと認められるとき、又は河川の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められるときは、それぞれ低水路の河床の表面又は高水敷の表面より下の部分に設けることができる。
(径間長)
第22条 橋脚を河道内に設ける場合においては、当該箇所において洪水が流下する方向と直角の方向に河川を横断する垂直な平面に投影した場合における隣り合う河道内の橋脚の中心線間の距離(河岸に橋台を設ける場合においては橋台の胸壁の表側の面から河道内の直近の橋脚の中心線までの距離を含み、河岸に橋台を設けない場合においては当該平面上の流下断面(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る流下断面)の上部の角から河道内の直近の橋脚の中心線までの距離を含む。以下この条において「径間長」という。)は、山間狭窄部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる場合を除き、次の式によって得られる値(その値が50メートルを超える場合においては、50メートル)以上とするものとする。ただし、径間長を次の式によって得られる値(以下この項及び第3項において「基準径間長」という。)以上とすればその平均値を基準径間長に5メートルを加えた値を超えるものとしなければならないときは、径間長は、基準径間長から5メートルを減じた値(30メートル未満となるときは、30メートル)以上とすることができる。
L=20+0.005Q
(この式において、L及びQは、それぞれ次の数値を表すものとする。
L 径間長(単位 メートル)
Q 計画高水流量(単位 1秒間につき立方メートル))
(1) 計画高水流量が1秒間につき500立方メートル未満で川幅が30メートル未満の河川に設ける橋 12.5メートル
(2) 計画高水流量が1秒間につき500立方メートル未満で川幅が30メートル以上の河川に設ける橋 15メートル
(3) 計画高水流量が1秒間につき500立方メートル以上2,000立方メートル未満の河川に設ける橋 20メートル
3 基準径間長が25メートルを超えることとなる場合においては、第1項の規定にかかわらず、流心部以外の部分に係る橋の径間長を25メートル以上とすることができる。この場合においては、橋の径間長の平均値は、これらの規定により定められる径間長以上としなければならない。
4 河道内に橋脚が設けられている橋その他の河川を横断して設けられている施設に近接して設ける橋の径間長については、これらの施設の相互の関係を考慮して治水上必要と認められる範囲内において規則で特則を定めることができる。
(桁下高)
第23条 橋の桁下高は、計画高水流量に応じ、計画高水位に第15条の表の右欄に掲げる値を加えた値以上で、高潮区間においては計画高潮位を下回らないものとするものとする。
(桁下高の特例)
第24条 背水区間に設ける橋の桁下高は、治水上の支障がないと認められるときは、前条の規定にかかわらず、次に掲げる高さのうちいずれか高い方の高さ以上とすることができる。
(1) 当該河川に背水が生じないとした場合に定めるべき計画高水位に、計画高水流量に応じ、第15条の表の右欄に掲げる値を加えた高さ
(2) 計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)
2 前項の規定による場合のほか、橋の下の河岸を保護するため必要があるときは、河岸をコンクリートその他これに類するもので覆うものとする。
(管理用通路の構造の保全)
第26条 橋(取付部を含む。)は、規則で定めるところにより、管理用通路の構造に支障を及ぼさない構造とするものとする。
第5章 雑則
(適用除外)
第28条 この条例の規定は、次に掲げる河川管理施設又は許可工作物(以下「河川管理施設等」という。)については、適用しない。
(1) 治水上の機能を早急に向上させる必要がある小区間の河川における応急措置によって設けられる河川管理施設等
(2) 臨時に設けられる河川管理施設等
(3) 工事を施行するために仮に設けられる河川管理施設等
(計画高水流量等の決定又は変更があった場合の適用の特例)
第29条 河川管理施設等が、これに係る工事の着手(許可工作物にあっては、法第26条の許可。以下この条において同じ。)があった後における計画高水流量、計画横断形、計画高水位又は計画高潮位(以下この条において「計画高水流量等」という。)の決定又は変更によってこの条例の規定に適合しないこととなった場合においては、当該河川管理施設等については、当該計画高水流量等の決定又は変更がなかったものとみなして当該規定を適用する。ただし、工事の着手が当該計画高水流量等の決定又は変更の後である改築(災害復旧又は応急措置として行われるものを除く。)に係る河川管理施設等については、この限りでない。
(小河川の特例)
第30条 計画高水流量が1秒間につき100立方メートル未満の小河川に設ける河川管理施設等については、規則で定めるところにより、この条例の規定によらないものとすることができる。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。