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北島勝永

更新日 2016年04月05日

 北島勝永は『旧柳川藩志』の画家列伝で梅沢晴峩の次に名を載せ、また、いくつかの展覧会で取り上げられ述べられてきました。近年、末裔である北野家に伝わる作品や粉本、文書が整理され詳細が知れるようになりました。

 

 勝永は寛政7年(1795)9月に北島利平太善春の二男として上宮永村に生まれました。北島家は本姓を菅原とし、父利平太が御木屋帳付、郡方御帳付、会所小頭をつとめたように、代々郡方の下役をつとめた家のようです。名は十造(東造、等造)、幽谷と号します。絵師として藩用をあずかり、慶応3年(1867)8月5日、73歳で没します。

 

 勝永がだれに絵を学んだのかは、自らが板碑に師の名を刻み、その時期については勝永の孫が残すメモにうかがうことができます。

最初に学んだのは三谷永錫映信(1752~1822)で、享和2年(1802)8歳のことです。映信は代々久留米藩に抱えられた三谷家の六代で、狩野派を修めた絵師です。

 

 文化7年(1810)、今度は筑前博多の眠蝶斎耕景の門を訪れています。狩野派の絵師とみなされる眠蝶斎耕景は詳細は不明ですが、後出の仙蝶斎素峯も絵を学んでいることから、柳川と何かしら繋がりのある絵師であったのでしょう。狩野派は、将軍家をはじめ諸藩がお抱えとして起用し、江戸時代を通して勢力をほこった一大画派です。どの絵師も、絵師たるにはまずは狩野派の画法を学ばずには始まらなかった時代です。

 

 次に入門したのは森周峯(1737~1823)のところで、文化9年18歳で大坂に赴きました。周峯もまた狩野派を修めた絵師ですが、ここで勝永は上方で流行していた画風に触れます。周峯の弟狙仙(1747~1821)は、狩野派にとどまらず円山応挙(1733~1795)を意識させる写生を追求した画風をなし、森派の祖とされます。また、周峯の子で狙仙の養子となった徹山(1775~1841)は円山応挙の門弟十哲に数えられます。このような環境にあって勝永の学ぶべきものが広がったであろうことは容易に考えられます。

 

 さらに師を求めた勝永は、文化13年、肥後藩のお抱え絵師である矢野右膳良勝(1760~1821)のもとを訪れています。周峯自身は不明ですが、子の徹山は肥後藩主細川家の画員として迎えられていたことが知られ、また、森派の絵師の作品が少なからず細川家に伝来していることから、周峯と良勝をむすぶラインはあったのでしょう。

 

 勝永が藩に仕えるようになった、その時期については今のところ分かっていない。

 

 出仕の身となった勝永は、茶事や茶道具に関わる茶道方のもとで画事にたずさわりました。しかし、柳川城が焼失した今となってはお抱え絵師として手がけたであろう作品も残らず、その画業は明らかではありません。

 藩主立花家に関わるものとしては、立花家の菩提寺である福厳寺に勝永のえがいた杉戸絵が備わるのみです。

 

 画風は、同時代の史料で「当時雪舟家ヲ学候者」、「雲谷派」と記述されるように、矢野派の影響を色濃く残しつつも独自に整理したものとなっています。江戸から明治へという大きな時代の変化もあって、勝永以後、その画風は受けつがれ広く展開されるものではありませんでしたが、柳川の地に雪舟流の矢野派を持ち込んだ意義は大きいものと思われます。

 

 作例としては、龍虎、人物、山水などにわたりますが、中でも勝永の絵で一番知られるのは虎でしょう。対幅で龍と組み合わせてえがいたものや、単幅の嘯虎、屏風に数匹の虎を配したものなど、「虎の勝永」と称され求められたことがうかがえます。矢野雪叟の虎から少しアクを抜き、森派で学んだ柔らかさが加味されています。風に吹かれているかのような毛並みと、先細りの箱形をした頭部が特徴的です。

 

※この文章は、柳川文化資料集成第3集『柳川の美術1』から、植野かおり氏(専門研究員)、平間理香氏(専門研究員)、魚里洋一氏(専門研究員)の執筆部分を編集したものです。

 

 

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