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部課長の1分間スピーチ

7月は福岡県同和問題啓発強調月間

堤

皆さんこんにちは。
人権・同和対策室長の堤富大と申します。よろしくお願いします。

7月は福岡県同和問題啓発強調月間です。県全域で部落差別(同和問題)の解消に向けたさまざまな取り組みが行われています。


同和問題は、中世(平安時代から室町時代)のころ、穢れ意識が発端となった迷信や言い伝えにより始まったのはご存知でしょうか。
このころは、現在のように医学が発展していなかったため、家族であっても死を間近にむかえた病人を家の外に出し、家に災いが伝わらないようにしていました。人の死は穢れであり、祈祷やお祓いなどがなされることが慣例になっていたのです。また、血に触れることも穢れると考えられていました。例えば死んだ農耕用の牛馬の解体処理従事を命ぜられていた人たちを、「穢れに触れる人=穢れた人」として差別の対象にしていました。さらに、男尊女卑も血に対する穢れ意識が基になっています。これが女性差別として根強く残っていることも、私たちが恥ずべきことではないかと思います。 
このように穢れ意識が偏見となり、差別される対象となる人々が社会から排除されるという社会的身分差別が存在していました。


江戸時代になると、政治的な身分制度が確立し、身分階級による差別が行われます。これにより、それまでの社会的身分差別が強化されることになります。例えば、牛馬の処理をし、その皮を加工して武具をつくる技術を持った人々は、支配者により集住させられ、民衆からの差別意識は強まっていきました。また、被差別民衆は、一般の人たちが忌み嫌うような仕事、例えば、犯罪者の捕獲、夜回り、罪人の処刑、死体の処理、重要な水門の管理などにも役目として従事させられていました。このような役目は、現在ではほとんどが公的な機関で行われていることで、重要な治安維持に関する仕事でした。


時代が近世(明治時代)になると、四民平等によって政治的な身分制度はなくなります。しかし、これは税金をより多くの人たちから集めることに重きを置いた政策であり、差別をなくすための政策はなされませんでした。それどころか、今まで被差別民衆の人々が担ってきた職業を、国や財閥などが取り上げたため、被差別民衆は経済的にも困窮し、さらに厳しい差別が生まれました。


この差別からの解放を目指して立ち上がった人々が、大正11(1922)年に全国水平社を創立しました。今年は、全国水平社創立から101年目、全筑後水平社創立から100年目という節目の年です。
そんな今年の7月1日(土)に「柳川市人権・同和教育夏期講座」を開催。前部落解放同盟中央執行委員長の組坂繁之氏を講師に迎え、講演会を行います。多くの市民の皆さんにも来場いただければと思います。

【柳川市】R5夏期講座チラシ.jpg

また、昨年は全国水平社創立100周年を記念して、島崎藤村の小説「破戒」の映画が全国で上映。DVDも販売されています。部落差別の歴史・実態を知る上で、とても分かりやすいものとなっています。企業での啓発や公民館などでの研修会で活用いただければと思います。もちろん社会教育指導員もいるので、講話と上映のセットも可能です。市人権同和対策室(0944-77-8531)までご相談ください。

部落差別は、不合理極まりない差別です。差別する側が、科学的認識のもと、差別をなくす行動をつくり出していかなければいけません。
皆さんのご協力をお願いいたします。

 


 

次回の部課長ブログは人事秘書課長です。

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