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部課長の1分間スピーチ

子どものつぶやきに気づき生かせる教師に

沖毅教育長の写真

皆さん、こんにちは。 教育長の沖毅です。

20代後半だった頃、5年生の担任でした。算数学習指導で合同な図形の性質(対応する辺や角の大きさは等しい)を調べているときでした。普通は、対応する辺や角の大きさを測り、性質を導き出すのですが、机間巡視する途中、ある子どもが「わざわざ測らやんかなー?」とつぶやきました。「どういうこと?」と聞きました。「先生、測らんでもいいのでは?」と答えてくれました。「じゃあ、考えたことをノートに書いてごらん。」と指示しました。他の子どもたちの机間巡視をして、また戻りその子どものノートを見て驚きました。「この2つの図形は合同な図形です。2つの図形はぴったり重なります。この2つの図形は合同な図形だからぴったり重なります。よって、重なる辺や角の大きさは等しいです。」と子どもの言葉で表現していました。3段論法を使って筋道立てて証明しているのです。交流場面になり、辺や角の大きさを測って導き出した考えと測らずに導き出した考えを出し合い、合同な図形の性質を導き出す学びが深まったことが今でも思い出されます。

 

教室には、「なるほど」「どうしてかな」「どうしよう」などとひらめいたことをつぶやく子どもがいます。内容は喜怒哀楽の感情だったり、疑問や知的な活動の一端であったりする。つぶやきは、自己内対話であり、その子どもが対象に主体的に関わっている証しであると受け止めてもらいたい。つぶやきが聞かれる学級は、子どもたちが屈託がなく伸び伸びしています。また、学びの深まりも見えると思います。つぶやきは、合同な学習の例のように、授業の質を高め、子どもから学ぶ貴重な「教材」であります。

 

最近、つぶやきに気づこうとする教師、子どものつぶやきに耳を傾け、生かそうとする教師が少なくなってきているように思います。子どもが発する何気ないつぶやきが聞こえる教師は、一人一人の子どもに耳を傾け、つぶやきを教材として生かすことができます。

 

つぶやきを生かすのは、学習指導の場面だけではありません。普段の学校生活の中でも、子どもたちの何気ないつぶやきに気づき、その背景や意図を洞察する力を教師は身につけたいものです。つぶやきは、生徒指導にも生かすことができるのです。日々の教育活動で、つぶやき(子どもの自己内対話)の持つ価値を認識し、子どもたちのつぶやきに気づき、生かすことのできる教師を育てていきたいと思っています。 

 

 

 

 

 

次回の部課長ブログは、市民部長です。 

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