皆さん、こんにちは。
今年4月に下水道課長を拝命しました目野隆広です。
9年ぶりの部署異動ということもあり、慣れない業務に緊張した日々を送っています。
前任者に引き続き下水道の話です。
皆さんは、昔柳川に家庭排水をきれいにする「溜(ため)」というしくみがあったことをご存知ですか?
昔は、台所で汚れた水などの汚れを溜で沈めてから、溝を通して掘割に流していました。
溜のまわりにはミミズや微生物がいて、水の汚れを食べてくれます。
こうして汚れた水は土や生き物に助けられてきれいになり、そのかわりに水は、土や生き物を育てます。
溜は、生態系を上手に利用したしくみでした。
なぜ、柳川で溜のしくみができたのでしょうか?
それは、柳川に住む人々にとって掘割の水は生活用水としても、飲用水としても使われていたため、上流の人が汚れた水を排水すると、下流の人が上水として使用できなくなるため、水を使った人は上水として使えるようにして水を掘割に戻す必要があったからだそうです。
このしくみは、上水道の普及など生活様式の変化に伴って、次第になくなってしまいましたが、現在は、公共下水道や合併処理浄化槽といった人工的な汚水処理のしくみに引き継がれています。
とは言え、柳川には、早くから先人たちの知恵による汚水処理のしくみがあって、水質に気を使っていたというのはすごいことだと思います。
当時は掘割の水を飲用水として利用していたため必要だったのでしょうが、今は生活環境を守るためにも、掘割の水質の維持・向上は必要だと感じています。
皆さん、公共下水道や合併処理浄化槽は、水質の保全に役に立つ施設です。
今後とも、こうした施設の整備や維持へのご理解とご協力をお願いたします。
溜のしくみ
両開にある柳川浄化センター
このスピーチを考えているときに、「役に立つ」という言葉で、少し前に読んだ池上彰さんの著書の中に、「すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなる」と書かれていたのを思い出しました。
どういう意味だったかなと考えながら、何気なく部屋の中を見回すと、買ったときは役に立つと思っていた物が、今は部屋の片隅に置かれたままになっていたり、収納スペースの中で埃を被っていたりと役に立つどころか、タンスの肥やしになっていました。
こういう意味だったかなと思いながら、ふと鏡に自分の姿が映っているのを見て、もしかして自分も家庭や職場の中で・・・
役に立つ家族や職員であるよう精進します。
(後で本を読み返してみると、意味は違っていました。意味は、「本当の教養は、すぐには役に立たないけれども、長い人生の中で、自分を支える基盤になる。基盤がしっかりしていれば、ブレることなく、自分の頭で物事を考えることができるようになる」でした)
来週の部課長ブログは消防本部東部出張所長です。