皆さんこんにちは。
柳川古文書館長の田渕義樹です。
平成30(2018)年は、明治元(1868)年から満150年の年にあたります。
既に国や地方自治体、民間企業でこれに関連した取り組みが行われていますが、柳川市でも、企画展「柳河の明治維新」と題した展覧会を柳川古文書館で開催する予定です。
嘉永6(1853)年、アメリカのペリーが浦賀に来航し開国を要求して以降、尊王攘夷運動や長州戦争を経て、明治元(1868)年の戊辰戦争へと至る過程は、わずか15年ほどのことです。
その間に活躍して政局の中心となっていったのは、薩摩・長州・土佐・肥前の各藩。
この4藩を「薩長土肥」と呼ぶことは、ご存じの方も多いと思います。
では、この4藩以外は、この時どのような行動をとったのでしょうか。
九州だけで考えても、例えば福岡藩や熊本藩も4藩と並ぶ大藩であり、また、わが柳河藩は石高約11万石。これらの藩ほどではありませんが、幕末に藩主となった立花鑑寛(あきとも)は、田安徳川家からの正室純姫を迎えたため、松平春嶽(福井藩主)とは姻戚関係であり、外国船渡来に対応する海岸警備の一端を任されていた藩でもありました。
伊豆・相模・武蔵・上総・下総・房州 海陸御固泰平鑑
福岡藩や熊本藩も、混沌とした政治状況のなか、情報を集めつつ、それに対応して藩の進むべき道を探っていました。
柳河藩も、熊本や福岡と情報を共有しながら、行動しようとしていました。
今回の企画展では、柳河藩の、ペリー来航以降の戊辰戦争から廃藩置県に至るまでの活動を取り上げ、「柳河の明治維新」の実態に迫ります。
ご期待ください。
企画展「柳河の明治維新」
- 主催 柳川市史編さん委員会、柳川古文書館共催
- 展示期間 平成30年10月3日(水曜日)から12月2日(日曜日)まで
月曜休館、ただし10月8日(月曜日・体育の日)は開館、翌9日(火曜日)休館
- 開館時間 午前9時30分から午後4時30分まで
戊辰戦争に従軍した
柳河藩士西原種敏肖像写真
柳河藩の戊辰戦争従軍を記録した「柳河藩東征始末」(明治42年編集)
また関連行事として、毎年開催している歴史文化講演会を、シンポジウム形式にして実施したいと考えています。
現在までに決まっていることをお知らせします。
歴史文化講演会
- 開催日時平成30年11月10日(土曜日)、午後1時30分から午後4時30分まで(予定)
- 開催場所柳川総合保健福祉センター「水の郷」 視聴覚室
- シンポ登壇者
白石烈氏(宮内庁書陵部) 久留米藩・熊本藩
江島香氏(柳川古文書館) 柳河藩 備考 企画展担当学芸員です。
日比野利信氏(北九州市立自然史・歴史博物館) 福岡藩・小倉藩
司会 有馬学氏(福岡市博物館・柳川市市史編集委員会委員長)
来週の部課長ブログは水路課長です。